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ブログの勝手を勉強中の考察中毒者。

LITTLE NIGHTMARES / リトルナイトメア 考察

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リトルナイトメアとベリーリトルナイトメアの考察をします。

『LITTLE NIGHTMARES』のシックス編とキッド編、スマホアプリ『VERY LITTLE NIGHTMARES』のネタバレを含みます。海外のコミックのネタバレも含みます。

以降の表記をこのように省略します。

・『LITTLE NIGHTMARES』→『Ⅰ』

・『VERY LITTLE NIGHTMARES』→『VERY』

・『LITTLE NIGHTMARES Ⅱ』→『Ⅱ』

英文に関して、独自の日本語訳を紫色で示します。

記事の長文化に応じ、『LITTLE NIGHTMARES Ⅱ』の記事を新設しました。

tenshi-shitsuzi.hatenablog.com

『LITTLE NIGHTMARES Ⅲ』の記事を公開しました。

tenshi-shitsuzi.hatenablog.com

『LITTLE NIGHTMARES/リトルナイトメア』

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ストーリー

※既に把握している方は読み飛ばしてください。

チャプター1『監獄』

和装の女性の悪夢……。屋内で目覚めた少女・シックスは脱出を試みる。ノームという小さな生物を横目に進み、首吊り死体のある部屋を抜けて進み、子供を石化させる光を放つ「目」をかいくぐり進み。寝室で管理人をやり過ごすとシックスのお腹が空くが、鉄格子の向こうから子供が投げてくれたパンを食べて空腹をしのぐ。

チャプター2『隠れ家』

しばらく進むと再び空腹に苛まれ、ねずみの死骸を食べるが、それは罠で、シックスは管理人に捕まってしまう。逃げ出すものの、幾度となく彼に追われ、最後は小部屋に追い詰められる。しかしシックスはシャッターを使って管理人の腕を切断、返り討ちにした。

チャプター3『台所』

またしても空腹。今回は生きたねずみを食べる。舞台は台所となり、双子のシェフがシックスの行く手を阻む。管理人と異なり、シックスは彼らを倒さずに台所を後にする。

チャプター4『ゲストエリア』

建物の正体は巨大船舶・モウだった。モウに次々と乗り込むゲストたち。彼ら(と片方のシェフ)に追われ、どうにか撒くものの、空腹が再来する。ソーセージを差し出してくれるノーム。しかしシックスはノームを食べてしまう。その先で見付けたのは、悪夢に見た女性・レディ……。

チャプター5『レディの部屋』

謎の力をもつレディとの最終決戦。シックスが鏡をもつと、その光がレディにダメージを与える。鏡が割れると共にレディは倒れ臥した。空腹。目の前には肉。シックスはレディを食べ、その力を我がものとし、ゲストを皆殺しにする。階段を上り、彼女は遂にモウを脱出した。そして彼女が見たのは果てしない大海原であった。

DLCチャプター1『The Depths-深淵-』

水中に引き摺り込まれる悪夢……。寝室で目覚めた少年・ランナウェイキッドは脱出を試みる。モウの最下層で彼を待つのは老婆。テレビを水に落として彼女を感電死させ、水路から脱出するも、すぐさま管理人に捕まる。キッドの檻の近くにはシックスがいたが、キッドの檻は管理人に引き摺られていってしまう。

DLCチャプター2『The Hideaway-ひみつのへや-』

キッドは布にくるまれ運ばれるも脱出。管理人を回避しつつ、ノームと協力して巨大な炉を起動し、上階へ行く。エレベーターの上に着地したキッド。そこに乗っているのはモウの長・レディ……。

DLCチャプター3『The Residence-静寂のアトリエ-』

辿り着いたのはレディの部屋。彼女が作り出す黒い子供を懐中電灯の光で撃退しつつ、複雑な謎を解き明かしたキッドは、鏡に映るレディの醜い素顔を見てしまい怒りを買う。レディはキッドを捕らえ、ノームに変えた。しかも彼はシックスに食べられるノームだったのだ。

暗い部屋にテレビが光り、画面に細長い影が映った。

JANITOR/管理人

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https://ln.bn-ent.net/characters/

まずは最初の敵・管理人を考察。

「監獄」「隠れ家」にて執念深くシックスを追い回した上、キッド編「ひみつのへや」にまで登場しプレイヤーを戦慄歓喜させましたが、最後はシックスにシャッターで腕を切断され、以降行方不明です。基本的には死亡したものと思われています。

三頭身の体から異様に長い腕が伸びた、アンバランスを極めた不気味な姿をしています(慣れてくると頭でっかちで可愛く見えてくる不思議)。丸い帽子や、顔を覆う布も印象的です。盲目ですが、発達した聴力で周囲を「見て」います。顔の上半分は布で隠れていないように見えますが、だとすると視力どころか目そのものが無いということになります。

そんな管理人は、一体何を「管理」しているのでしょうか? それはズバリ子供だと考えられます。彼が出現するエリアは、子供がいるエリアと多く重なるからです。

管理人は、子供に対して二つの態度を見せます。一つはよく見慣れた、執拗に追いかけ回す態度。もう一つは逆で、全く追うことのないものです。

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管理人は、ベッドの上にいる子供は追わない

初めて彼と本格的に相対する寝室には、子供たちが眠っており、時々寝返りまで打ちます。管理人は、ベッドの上にいる子供は追いません。逆にキッド編では、部屋から出た子供を捕らえています。彼は逃げ出した子供だけを追うようです。そして檻に収容し、袋に包み、周回する鉤に掛けて出荷台所に送ります。

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奥の部屋は食堂のように見える

また、シックスにパンを与えた子供は、食堂のような場所にいました。モウにいる子供には、食べ物が与えられているのです。台所に送ることも鑑みると、食べ頃になるまで肥らせているのではないでしょうかそれも含めて「管理」業務なのかもしれません。

一方で、管理人に悪意があるのかは少々疑問です。例えば、彼は子供やシックスに直接手を下すわけではありません。子供を捕まえて鉤に掛けるのにしても、その行く先を知らない可能性があります。

そう考えた上で彼の挙動を見ると、人形やスプーンを愛でたり、テレビを撫でたりしている様子からは危険性が窺えません。あ、レディも人形撫でてたわ。

あるいは、管理人がモウの従業員ではないという説もあります。根拠は彼が登場するステージ名「監獄」「隠れ家」。これが管理人にとっての監獄・隠れ家だとすると印象が変わります。

しかし、そう仮定すると誰が管理人の雇い主なのかが疑問となりますが……。これについては後述しましょう。

設定に関して言えば、公式サイトにある管理人の説明はかなり意味深です。彼がモウとは別の場所から逃げ出して来たと考えられるのです。しかしこれ以上の情報がありませんでした……『Ⅰ』の時点では

GRANNY/老婆

「深淵」にてキッドの悪夢に登場、また実際に登場し泳ぐ彼を捕えようとします。最後はキッドが水にテレビを落とし、感電死しました。

落ち武者のように髪が生えており、布切れ一枚を纏っています。これは余談ですが、カメラMODで解析すると、ウィッシュしている老婆が見られます。開発者の遊び心でしょうか。

こんな日本語訳も無いようなキャラを突然放り込んで困惑されていると思います。私も入れる必要あるかなあと思いましたが、ちょっと気になる記述を発見したので一応書きます。

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https://www.pdvg.it/ja/2017/11/11/episodio-dlc-little-nightmares-the-hideaway/

海外の追加コンテンツ紹介画像です。解像度が悪く読みにくいのですが、「深淵」の説明にこうあるのです。

The Granny - abandoned to decay and rage

老婆・腐敗と怒りに身を任せた

これが私なりの訳なのですが、外国でこんな動画が上がっています。

www.youtube.com

なぜ老婆は見捨てられたのか?

"abandon to"は「身を任せる」と訳せるはずで、筋も通るのですが、外国の方は普通に"abandon"=「捨てる」「見捨てる」と解釈しています。本場の方々がそう思っているならきっとそうなんでしょう。たぶん。

ざっとコメントを読んだところ、老婆は元々モウの重役であったとか、レディより美しかったので醜い姿に変えられ深淵に放逐されたとか、そんな説があります。

……無くもないなと思えてしまう(笑) しかしこの文以外に資料が無いので、私は可能性として留めています。

TWIN SHEFS/双子のシェフ

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https://ln.bn-ent.net/characters/

「台所」での障害となった他、「ゲストエリア」にもサプライズ出演した、狂気の双子のシェフ。ベッドもトイレも隣り合わせという仲良しっぷり。

彼らは白く不清潔な服を着込み、コック帽を被っています。実は顔はマスクで、時々咳をして中の顔を触ることがありますが、太い唇が見えるのみで、素顔の全体像は明らかになっていません。

彼らのモウにおける役割は明快、料理人です。管理人から届けられた子供や、「何か」の肉を使います。台所には野菜もありますが、使っている様子は無い

時々激しく咳をすることから、病気に罹っている可能性があります。不衛生な職場なので、当然と言えば当然ですが。

あれ、彼らに関する考察はこれだけ? いや、あまり謎が多くないんですこのお二人。一応双子にまつわる神話でもないかと漁ってみましたが、双子のシェフに該当するようなものは見当たりませんでした。

ちなみに、3人目のシェフがいるのをご存知ですか? コンセプトアートや絵画に描かれており、まだタイトルが『HUNGER』だった頃の映像にも僅かながら映っています(下の動画の38秒付近)。恐らく、企画段階では存在したものの、3人から同時に逃げるのは困難と判断され、実機からは削除されてしまったのでしょう。ひょうきんな顔で、私はけっこう好きなのですが、会えないのが残念です。

www.youtube.com

GUESTS/ゲスト & MAW/モウ

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https://ln.bn-ent.net/characters/

「ゲストエリア」で暴食の限りを尽くし、山となってシックスを追ったゲストたち。しかし最後はシックスによって(恐らくは)全滅します。彼らについて、さらにはモウ自体についても考察します。

ゲストの姿は様々ですが、丸々と太っており、シックスを追う際は腹ばいになります。モウでは珍しく、素顔を晒しています(一部は仮面を着けています)。また、服が比較的綺麗であることから、富裕層であるとの指摘もあります。

食事に集中するゲストが、それを中断してまで執拗にシックスを追いかける理由は、彼女が指名手配されていたからだと考えます。後述のように、レディは彼女を危険因子として認識していたため「黄色い子供を見付けたお客様には食事一年分プレゼント」……的なことを言って、ゲストにシックスを見付けさせようとしたのではないでしょうか。ただ、それなら指名手配の紙があってもいい気はします。

さて、ここからが本題です。モウにおけるゲストの役割は何でしょうか。ここでモウについての画像も見てみましょう。

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https://ln.bn-ent.net/places/

説明文から大体お察しですが、一応説明していきます。

ゲストは年に一度、食事のためにモウに集まります。モウが莫大なコストをかけてまで食事を彼らに提供する理由は何か。ボランティアなはずがない。隠れた利益があるはずです。

物語の最後にシックスがゲストを大量殺戮しましたが、あれは元々レディの力ですから、本来は彼女がゲストを殺していた(その目的については後述)と思われます。

しかし、大量の死体をそのまま放置はできません。あわよくばリサイクルできないか。もうお分かりでしょう。ゲストの死体は保管され、シェフが調理し、来年のゲストに振る舞われると考えられます。倫理観はぶっ壊れていますが、効率だけを見れば最高のシステムです。さてはエンゲル係数めっちゃ低いな?

説明文に「モウはゲストなしでは生きられない」とありますが、まさにその通り。ゲストの役割は、モウのサイクルを回すことにあるのです。シックスがゲストを屠った後、モウの煙突の煙が消えていたことからもそれが分かります(下のPVの最初に映るモウは煙を出しています)。

www.youtube.com

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エンディングでは煙が消えている

船からモウに乗り込むゲストは、巨大な胃袋に飲み込まれているようにも見えました。そもそもモウの名前MAWは「胃袋」の意味をもちます。食べるために来る彼らは、実際はモウに食べられているのでしょう。

しかし、当然モウに行ったゲストは帰ってこない……。なぜ他のゲストはそれを怪しまず、毎年懲りずにモウにやってくるのでしょうか。その謎も後程考えます。

RUNAWAY KID/ランナウェイ・キッド

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ランナウェイ・キッドは外国ではセブンと呼ばれ親しまれています。なぜかシックスに片思いしているという設定が多い。

それはそれとして、実際はランナウェイ・キッドは「逃げ出した子供」というただそれだけの意味で、彼に固有名詞はありません。シックスとは近付きこそしましたが、互いに大きく関わることは遂にありませんでした……最後までは。

「逃げ出した子供」という意味なら、彼より前に逃げていた女の子も、ランナウェイ・キッドと呼べます。しかし彼女が持っていた懐中電灯が落ちていたこと、その先にヒルがいたことから、彼女はヒルに殺害されたと見るのが妥当でしょう。

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この先にヒルがいる

つまり私たちが操作していたのはランナウェイ・キッドのうちの一人にすぎない。たまたま、偶然、運良く(あるいは運悪く)生き延びて、レディの秘密を見てしまっただけのただの子供です。

そしてレディの秘密を見た子供は、ノームにされてしまうのです。

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https://ln.bn-ent.net/characters/

笠を被った姿はレディの素顔を「見て」しまったからなのかもしれません。ゲーム中にノームがやたらいるけど、レディけっこう素顔見られてない?

ただ、ノームは元々普通に存在する生き物で、その中の一部がレディによって変えられた子供だという可能性もあります。

ちなみに、「ひみつのへや」の終盤、暖炉の場面ではノームの影が子供のようになっています。伏線の芸が細かい! やっぱりけっこう素顔見られてるな。

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ノームの影が子供になっている

モウにおけるノームの役割は定かではありません。そもそもレディの素顔を見た代償としてノームに変えられたので、役割があるのかどうかすら分かりません。

石炭を運んでいるところを見ると忠実な働き手としての側面があるように思えますが、あのシーンでのノームはキッドに協力しただけです。モウの人物がノームを働かせる描写は確認できません。

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ノームは労働に慣れている?

余談ですが、キッドが訪れた部屋の一つに、シックスが使った物と同じ型の鏡が割れた状態で落ちていました。もしこれが割れていなければ、シックスより先にキッドがレディを倒していた可能性もあるのですが……これは叶わなかった未来です。

それではいよいよ、子供をノームに変えた魔女について考察していきましょう。

LADY/レディ

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https://ln.bn-ent.net/characters/

謎と闇の渦巻くモウにあって、最も昏い秘密の持ち主がレディです。

和装に黒い長髪、そして一番の特徴は白い仮面です。その髪型とステージ名「レディの部屋」から、正体は黒柳さんだとネタにされがち。

彼女はモウのトップです。一人だけ清潔で広い部屋やアトリエをもち、服も大量に所持しています。

レディは謎の力を使います。その能力は以下の通り。

・子供を持ち上げる

・滑るように移動、瞬間移動する

・子供をノームに変える

・力に仮面を着け、操り人形として行使する

・(シックスに渡った後)命を奪う

力には必ず、黒い煙のような物が付随するので、今後「黒の力」と呼びます。いわゆる魔法のようなものでしょう。シックスがレディを食べて力を受け継いだことから、あれは内部的に宿るものだと思われます。

キッド編で明らかになった素顔から、彼女は老いを恐れており(あるいは病気などが原因で顔が醜く)、ゲストの生命力を奪い、若さあるいは美貌を維持している。この説が考察の多くを占めているように感じます。

モウの従業員がことごとく顔を隠しているのはレディの顔を見てはいけないから。ゲストを集めるのは自分より醜い者どもを見るためでもある。そんな説もあります。管理人はレディに目を潰されたとも言われています。

しかし、私たちは一度たりともレディの顔を直接見ていないことに注意です。

www.youtube.com

これはMODを使ったゲームの解析動画です。レディの顔が一般的な女性の顔のようにモデリングされていることが分かります(動画の5分頃が分かりやすいです)。

それでは彼女は外見の若さは保っていて、鏡だけは欺けないのでしょうか。

そもそも鏡についての疑問も残ります。なぜキッド編では鏡を見ていても平気だったのでしょう? もしシックスが使った鏡だけが特別な物なら、なぜ自分の弱点となりうる物を破壊しておかなかったのか?

あるいはその鏡の存在を知らなかった……?

レディに関する謎は深い泥沼のようです。しかし、モウには更なる暗部が存在します。

SIX/シックス

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https://ln.bn-ent.net/characters/

リトルナイトメアの主人公、黄色いレインコートを着た少女です。

しかし彼女は普通の子供ではないのです。モウのあちらこちらに彼女の絵があることからも分かりますし、レディは彼女を危険視していたとも思われます。

彼女の特性は尋常ならざる「空腹」。最後にはレディをも食らい、黒の力を奪ってゲストを殲滅し、モウを脱出しました。

階段を上る場面ではカメラが固定になり、シックスだけが奥へ進みます。私は「シックスがプレイヤーの手を離れた」というメタ的描写だと考えています。最後にモウの頂点に立った彼女は、しかし、これからどうするのでしょう。茫洋たる海原だけに囲まれた孤独の世界で……。あるいは、新たなレディの座につくのでしょうか。

各サイトにおいて彼女の正体に関する考察は特別に長く、深いです。私はそれらの考察のどれが正解か、ではなく、どれもが正解だと思っています。これからシックスの正体にまつわる考察を挙げていきます。

七つの大罪・暴食説

最もポピュラーな考察と言えば、これではないでしょうか。

七つの大罪におけるシックス=6番目は「暴食」です。また、リトルナイトメアのタイトルが最初は『HUNGER』=「空腹」であったことも偶然とは思えません。

シックスは頻繁に空腹を感じて何かを食べましたが、パン、死んだねずみ、生きたねずみ、ノーム、レディと、より大きな生き物を食べるようになっていきました。ゲストの大量殺戮も、ある意味「食べた」と解釈できそうです。満たされることのない空腹そのものがシックスなのではないでしょうか。

彼女が何かを食べる場面では必ずどこかに黒いシックスが現れます。

・パン:右のコンテナの上に直立

・死んだねずみ:天井の配管の上に直立

・生きたねずみ:右のコンテナにしゃがみ

・ノーム:奥の机の上に直立

この黒いシックスこそ「暴食」の象徴ではないでしょうか。必ずシックスより上方に現れるのも、彼女の本来の性であるという示唆に思えます。レディを食べる場面のみ現れませんが、それはシックスが食欲と一体化した、あるいは食欲に飲み込まれた、暴食に堕ちたと解釈出来そうです。

名前に関して言えば、次の説も有力視されています。

シック・病気説

シックスの名前は6のシックス(six)と病気のシック(sick)ダブルミーニングだとする説です。シックスが空腹を感じた際に咳をしていたのを思い出す人もいるのでは?

モウの環境は決して清潔ではなく、彼女が何かの病気に罹患していた可能性は十分に考えられます。特に彼女はねずみを食べています。ねずみが媒介する病気といえば、中世に各国の人口を激減させた魔の感染症・ペスト。英語の通称は"Black Death"=「死病」。の力との関係が浮上します。

黒の力がペストの象徴だったとすると、レディは病気によって顔が爛れていたとも考えられます(ペストの種類によっては顔にできものが発生する)。また、シックスはゲストの間にパンデミックを引き起こしたとも解釈できるのです。

また、ペストは西洋で発生し中国にまで至りました。西洋から東洋へ。この流れ、リトルナイトメアの舞台と共通しています。

レディの娘説

こちらも有名な考察でしょう。私はシックスとレディの大きさがあまりに異なることから否定的でしたが、考えてみれば「あんな小さな子供とレディが親子なわけがない」というのは先入観です。リトルナイトメアの世界では子供があんなに小さいのは当たり前なのかもしれません。そう考えてみると、公式がシックスたちを小人と呼ばずに子供と呼んでいるのは意味ありげです。

この説が有力視されているのは、最初の夢から連想されるシックスとレディの面識を説明できるからでしょう。また、黒の力についても、親から子への継承と見ると自然です。親殺しという最悪の覇道を経て、力が受け継がれたと。

シックスがモウの奥底にいたのは、レディが自分の子供の力を畏れたからと捉えられます。自分が強い力をもっているからこそ、その因子を引き継いでいるであろうシックスを警戒するのはある意味当然ですから。

絵画の女の子説

リトルナイトメアには大量の絵画があり、考察の材料になっています。その中に、謎の存在が描かれた絵が複数あります。

黒い髪に白い服の子供です。この子供がシックスだとする説です。レディと一緒に描かれている絵がある(大量のゲストに追われている最中、手前に走るポイントの奥に飾ってあります)ことから、親子説とセットで支持されることもある説です。

また、この子供の絵の一つの近くに、黄色い子供の絵があります。シックスでしょうか。何故かその絵は顔を黒く塗り潰され、布で隠されているのです……。

以前まではこの白い服の子供=シックスとする決め手に欠けましたが、『Ⅱ』のPVでシックスと思わしき子供が黒髪に白服であったことが、この説を支えています。

この説が正しいとすると、白いシックスの絵が飾られ、黄色いシックスの絵が隠されているのは明らかに意図的です。

レディはシックスが白い段階では彼女を畏れていなかった。しかし、黄色いレインコートを被ってからは警戒を始めた。こうも考えられます。

では、レインコートを被る前後でシックスの何が変わったのでしょうか。『Ⅱ』ではシックスがレインコートを被る描写があるので、新たな情報が入るかもしれません。

ベルゼブブ説

ベルゼブブとはキリスト教における悪魔の一体で、「蠅の王」の名を冠します。その実力はサタンにも比肩するとか。

力に由来する黒い煙には、蠅のような物が付随します。ゲストを殺戮していくシックスは蠅を司る王のようでもありました。

また、暴食と合わせて考えれば、腐った食べ物に蠅がたかるイメージはまさにぴったりでしょう。

ケルベロス説・ハスター説

これは私の考察ではありません。YouTuber「鳥の爪団」さんによる独自性溢れる考察がとても参考になるので紹介します。順にケルベロス説、ハスター(クトゥルフ神話の存在)説です。

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SHADOW/シャドウ

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ボートに乗るシャドウ

コミックに登場するキャラクターですが、本編との関わりが強そうなので記載します。

彼は大きな麻袋のような顔が特徴で、帽子とコートを着た謎の存在です。街にいる子供をモウに連れていくのが仕事で、ボートを漕ぐことからファンにフェリーマンと呼ばれたりもします。

そうすると、子供は最初からモウにいたのではなく、必要があって連れてこられたことになります。しかし、子供の役割とは何でしょうか? シェフに調理はされるようですが、素材の多くはゲストによって賄える上、小さな子供を調理していたのではコスパが悪いように感じます。

にも関わらず、わざわざベッドなどの施設まで用意して子供をモウに運び入れる意図は何なのでしょう。

ところでシックスは他の子供と同じようにシャドウに攫われてきました。彼女はその点では特別ではありません。本編であれだけ警戒されていたシックスが、です。

そこから辻褄の合うように考えると、モウという極限空間の中で、何らかの力を手に入れる子供を探しているのでは、ということ。コミックが未完結なので想像になりますが、シックスがモウで力を覚醒させ、そしてレディに警戒されるようになったのでは?

つまりモウは子供を試す実験場でもあるということです。

ワックス・ベルマン

www.youtube.com

彼のことも話しておきましょう。ワックス・ベルマンとは、リトルナイトメアのイベントに現れたものの本編には登場せず、「没になった」と思われているキャラです。上の動画で何度か姿を窺えます。

テルマンの服装で、顔が溶けたような姿です。

イベントでは鏡に写る描写があります。本編の「ゲストエリア」にてシェフに追われて入った部屋で、鏡を割ったのを覚えているでしょうか。あの鏡の裏には椅子があり、ワックス・ベルマンは本来あの椅子に座る予定だったのでは? と囁かれています。

また、データでは彼がホテルのフロントのような場所で首を吊っているような絵があり、首吊り男の正体とも言われました。

テレビとヴェロニカ

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管理人を撒く際にテレビをつけますが、ここに幾つかの秘密があります。

まず、スイッチを押すことで画面が切り換わります。最初は料理番組ですが、手に目が描かれた模様(上画像)、中に目がある三角形が組み合わさった模様(キッド編にも登場)に変化します。

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キッド編では画面を換えられない

まず手に目のマークについて。手に目と言えば、ハムサと呼ばれる、邪視から身を護る護符です。イスラム社会ではファーティマの目(手)と呼ばれたりします。邪視は人を殺したり不運にしたりする目線。ハムサは良い物なのです。

ただしハムサは親指と小指の長さを揃え、指を閉じているのが普通です。リアルな手の形そのままであるこの模様は、神聖な護符の条件を満たしていません。むしろ邪視側であると言われた方が納得できます。

まあ……洗脳ですね。テレビ放送によってゲストを洗脳、モウに招き入れている可能性があります。でなければいくら何でもあんなに大勢が騙されるわけがない。

次に料理番組について。流れているハイテンションな歌をスロー再生すると歌詞が聞き取れます。全文は以下の通り。

Having a nightmare in a boat
Come with me, oh, no, no, no
He's gone, he's gone, he hung
Dont leave me
No more bellman among the sea
Hello, Hello- we're lonely
Help her, Help her, and we'll see
My way, my way, and you'll see
A halo ascending above the sea
Come fun, here comes veronica
Run, run he cut veronica
Send on a ferry & upon our sea

独力で翻訳してみます。

ボートの中で夢を見てる

一緒に来てよ、ああ、だめだ

彼はいなくなっちゃった、吊られちゃった

置いていかないでよ

海の下にベルマンはいないよ

おーい、おーい、僕らは孤独さ

彼女を助けてよ、そして僕らは見るだろう

自分の道を、そして君は見るだろう

海の底から上ってくる「こんにちは」を

楽しいよ、ヴェロニカが来るよ

逃げろ逃げろ、彼がヴェロニカを切る

ボートより、僕らの海の底より

料理番組のくせにめっちゃ意味深な歌詞から、以下のような複数の人物が想起できます。

・(この歌は呼び掛けの体をとっているので)送り主

・いなくなって吊られた「彼」

・海の下にいないベルマン

・「彼女」

・ヴェロニカ(「彼女」と同一?)

「彼」は冒頭の首吊り男でしょう。しかしベルマンは没になったはず。どうしてここにいるのでしょうか。次に「彼女」。本編で明確に性別が女性と言及されているのはシックスとレディくらいです(あと老婆)。パンの一件で「助け」られたのはシックスの方ですが……。

そして何よりの謎は「ヴェロニカ」またはベロニカ。一般的な女性名ですが、実はキリスト教の言い伝えにその名が窺えます。

ヴェロニカVeronica、生没年不明)は、カトリック教会正教会の聖人。祝日は7月12日と2月4日。

言い伝えによると、ヴェロニカはベレニケ(Berenice)ともいい、エルサレムの敬虔な女性であった。彼女は、十字架を背負いゴルゴタの丘へと歩くキリストを憐れみ、額の汗を拭くよう自身の身につけていたヴェールを差し出した。キリストは彼女の申し出を受けて汗を拭き、ヴェールを彼女へ返した。すると、奇跡が起こった。ヴェールには、キリストの顔が浮かび上がっていたのである。この伝承から、絵画や彫像の聖ヴェロニカは、聖顔布を手にした姿で表される。

聖ヴェロニカ - Wikipedia

この伝承に当てはまるような出来事はリトルナイトメアでは起こっていません。また、シックスとするにもレディとするにもしっくりこない印象です。

するとやはり浮かぶのは絵画の少女。唯一どこにも言及されない謎の存在。白い服が上の言い伝えの布に見えるというのは言いすぎかもしれませんが、しかし彼女が私にはとても気になるのです。

何よりこの歌はテレビで放送されています(もしかしたらモウ内放送かもしれないけど)。歌の「送り主」は誰なのでしょう。

地味に、テレビに映る女性が実写に近いリアルな人間なのも気になるところです。まさかこいつがヴェロニカ……!? それは冗談として、彼女はリトルナイトメアで唯一、いわゆる「普通」の姿をした人間です。

歌を聞きたい方にはこちらの動画がおすすめです。

www.youtube.com

パンをくれた人

このサイトに来てくださる人の検索ワードのトップが「リトルナイトメア パンをくれた人」なんですよね。そんなに気になります?(笑)

しかし、徹底的に考察するだのと言っておきながら、シックスと絡んだ人物を見逃していたのは不覚です。この子についても考察してみましょう。名前が判明していないので「パンの子」とでもしておきましょう。

まず大前提として、パンの子はキッドじゃないですよ。けっこう勘違いしている方が多いのですが、時系列やモデリングを見ても、確実に違うと言えます。リトルナイトメアの子供は誰も彼も同じような恰好なので仕方ない部分はありますが。

さてこのパンの子ですが、素性も性別も不明です。というより、パンをくれるだけの一般モブ子供だから設定なんて無いと思っていました。

しかし、このシックスにパンを与えたという行為は、それだけでかなり重要なものではないでしょうか。例えば、劇中におけるシックスの最初の食事はここで行われます。もしかしたら、暴食を発現させたととることもできます。

さらに、空腹を背負い歩くシックスを憐れみ、食欲を満たすよう自身の食料であったパンを差し出したというのは、『十字架を背負いゴルゴタの丘 へと歩くキリストを憐れみ、額の汗を拭くよう自身の身につけていたヴェールを差し出した』という聖ヴェロニカの行為と驚くほど一致するではありませんか。ここのあたりが段差とかで坂っぽくなってるのはゴルゴタの丘の暗喩だ!というのはこじつけかもだけど。

つまり、パンの子=ヴェロニカという仮説が割と真面目に立つのです。

赤い服の女

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謎多き隠し部屋

台所の隠し部屋に、意味ありげな絵があります(上画像右)。

長い黒髪で顔が見えない、赤いワンピースの女性です。このゲームにワンピースを着た人物は彼女だけです。レディの若き頃などとも言われています。確かに近くにはレディの絵や像がたくさん。

いやそもそも、この部屋は何なのでしょう。なぜ子供サイズなのでしょうか。シックスの前に、誰かがここにいたのです。しかも、レディを知る何者かが。

子供で、レディと関わりが深く、シックスとは別の人物となると、浮かび上がる者が一人。絵画の、白い服に黒い髪の少女です。先程はシックスと彼女を同一視しましたが、それには根拠がありません。また、シックスの顔はMODによりある程度明らかになっています。絵画の少女はシックスに比べてやや頬がふっくらしているのです。

もし彼女がシックスと別人なら、一体何者なのでしょうか? はいはいヴェロニカヴェロニカ。

子供部屋にいた者

子供部屋の話をします。

あの部屋には、シーソーや2つのブランコなど、2人いる前提で遊具が用意されていました。サイズから見て子供の物ではない、とすると連想できるのは双子のシェフです。彼らは昔からモウにいたのでは?

脱走を防止するためか、両側は電気柵で鎖されています。説明文に「暴力と肉をこよなく愛する」と言わしめる彼らなら閉じ込める必要があったのも納得です。

では誰が2人を閉じ込めていたのか? エリアから考えると管理人説が濃厚ですが、実はこの部屋には煙草と灰皿が……。詳しくは後述。

2人の石像

レディのアトリエに飾られた、意味ありげな石像です。2人並んで手を繋いでいますが、頭部が打ち砕かれており顔は分かりません。

リトルナイトメアで2人と言えば上記の通り双子のシェフですが、体型が異なるし、昔のシェフと仮定してもレディがそれを飾っているのは不自然に思えます。

やはり気になるのは『Ⅱ』のモノとシックス。彼らは手を繋ぐことが明らかになっています。しかし、それがなぜレディのアトリエにあるのか……。時間軸も明らかになっていないので、こればかりは『Ⅱ』を待つのみです。

『リトルナイトメア』の意味

初期タイトル『Hunger』のち『Little Nightmares』。タイトルをわざわざ変更したということは、それだけ意味があるということです。直訳すると「小さな悪夢」。ここでいう悪夢とは何なのでしょうか。原題では複数形ですから、悪夢は一つではないのかもしれません。

まず、子供たちが揃って見る夢のことでしょう。シックスはレディの夢を、キッドは老婆に沈められる夢を、先行しますが『VERY』では何かに追われて扉を閉める夢を、それぞれ見ました。このことから、子供は予知夢を見るのではないかと言われています。

次に、モウの恐ろしい環境や数々の敵のこと。

そしてやはり、シックス自身。彼女はとても「リトル」ですが、その内に秘めた恐ろしさについては既にご存知の通りです。しかし、我々プレイヤーは、彼女がそうなるとは思っていませんでした。まさに彼女は小さな悪夢と言えましょう。

ちなみにナイトメアの語源は「Night(夜)」と「Mare」。この後者の言葉は、女性の霊・悪魔を表すそうです。

 

リトルナイトメアにはたくさんの目が登場します。子供を石化させる監視システムはもちろん、扉、玩具、少しメタなところではタイトルロゴにまで。

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https://www.inside-games.jp/article/2017/04/13/106521.html

その中でも扉についている目ですが、その中に一つだけ、三角形と組み合わさった目があります。あれ、三角形に目……?

連想できるのはフリーメイソンプロビデンスの目です。キリスト教における「神の全能の目」。神は下界の全てをその御目に収めておられる……的なやつです。

そこから、目は「監視」の象徴もしくは実際に監視していると考えることができます。扉や壁に付いていた目の衣装全てがカメラだとすれば、モウの中を隈なく監視することが可能です。

その裏付けとなるのが目のモニター。

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シックス編、キッド編、いずれも管理人がいるエリアにあります。目による監視の出力はこのモニターなのではないでしょうか。

しかし私はそれ以上に、目が玩具に付いていることに注目したいのです。あれは流石にカメラではなく模様でしょう。なぜただの玩具にまで目を描く必要があったのか。幼い頃から「見ているぞ」と刷り込むため?

もっと単純に考えてもいいと思います。つまり、玩具を作った会社(あるいは組織)のマークが目であると。先程は冗談でしたが、「プロビデンスの目がフリーメイソンと関わっている」という噂と奇妙な合致を見せます。その会社または組織を仮に「ガバメント」と呼称します。

謎の組織

まず私は「役割論」を唱えています。リトルナイトメアの世界において、敵は「役割」をもっていることが多いです。今までに述べたように、管理人は「管理」シェフは「調理」の役割をもっています。

また、管理人やシェフは言わば変わり者。もし差別の厳しい世界なら、彼らは抹消されてもおかしくない存在です。しかし役割をこなし貢献することで、モウの中で自由に過ごすことを許されているのではないでしょうか。その取引の相手がガバメントです。

この仮説に則ると、レディですら「モウのトップ」としての役割を担っていたとも考えられます。つまり彼女も役割をこなしモウの中での自由を許された、従業員の一員に過ぎないという考えです。根拠は幾つかあります。

まずレディ独りで巨大船舶・モウを造るのは、構想・開発から施工までに大量の資材と人員が必要になるため困難だということ。組織的な集団がどうしても不可欠なのです。そこにガバメントが浮かびます。ただしこの段階ではレディがガバメントのトップである可能性が否定できません。

次に、レディも醜い顔なので、管理人やシェフと同じく差別の対象になりかねないこと。

最後の証拠として、レディが監視されていたと思しき描写があります。それは先程言及した、目のモニター。そこにはレディの部屋や鏡が映っています。

もちろん、警戒心の強い彼女が自室にも監視カメラを置いていた可能性はあります。しかし、モニターがあるのは管理人のいるエリアで、つまりモウの下層。レディがわざわざ赴くことがあるのでしょうか?

ではレディの他に誰が見るのか。管理人は目が見えないので除外。すると、レディの力を警戒せざるを得ない者、つまり彼女の上に立つ者がモニターを見ていたと考えることができるのです。

なお、その具体的な人物についてはお察しの方もいらっしゃると思いますが、まだもう少しお待ちください。

先行しますが、『VERY』や『Ⅱ』においても目のマークが確認されています。ガバメントのような巨大組織があれば、モウ・ネスト・シグナルタワー・その他の施設を造ることができるでしょう。

結論。リトルナイトメアの世界には、目をマークとした巨大結社が存在する。彼らがモウなどを造った。皆さんはどう思いますか?

千と千尋の神隠し』が参考?

リトルナイトメアシリーズはジブリ千と千尋の神隠し』を参考にしているという噂が折に囁かれます。

・ゲストエリアが明らかに湯屋っぽい

・石炭を運ぶノームがススワタリに似ている

・管理人は釜爺と同じく腕が長い

・施設の頂点が和装の女性

・その女性が人間を動物(ノーム)に変える

・主人公の名前が数字

確かに似た要素が散見されます。公式から言及が無いので何とも言えませんが、『千と千尋の神隠し』も謎とメッセージ性に富んだ作品なので、もしかしたら参考にしているのかもしれません。

『VERY LITTLE NIGHTMARES/ベリーリトルナイトメア』

あらすじ

謎の建物・ネストで目覚めた黄色いレインコートの少女は脱出を謀る。様々な敵の目をかいくぐりネストから逃げ出すも、館の主・プリテンダーに追われる。黒髪で白服の少女と協力してプリテンダーを倒すも、仕留めきれずに彼女もろとも落下。レインコートからおさげ髪が見え、2人は水没、コートのみが浮上。そして崖の上から黒髪白服の少女が下りてくる。

CRAFTSMAN/職人

確かにネストで友達を作ることを勧めたけれど、でもたぶん……。たぶんこの男ではない。

車椅子に座り、ゴーグルを着けた老人です。管理人と同様腕が長いのが特徴です。

彼は人形を作っているようで、恐らくプリテンダーの人形は彼の作品です。さらには、モウにある人形も彼が作ったのではと噂されています。彼の役割は「人形制作」なのでしょう。

しかし、なぜわざわざ人形を作る必要があるのでしょう。プリテンダーやレディ、管理人が愛用しているようですが、だからといって需要が高いとも思えませんが。単純にプリテンダーが人形を好んでいるので特別に雇われたのかもしれません。

BUTLER/執事

彼はいつも「愛人」にお辞儀をしているけれど、わざわざ自分の前を横切る小さな生き物に対しては……我慢ならない。

両腕を後ろで拘束された執事で、浮遊しながら移動したり物体を触れずに動かすなど、念力めいた力を使います。まさか戦う方のバトラー

謎の力を使う点でレディとの関係性を思わせますが、バトラーの力は念力=サイコキネシスに限定されており、また黒い煙も出ないため、黒の力とは本質を異にするように思えます。

ただ、手を後ろで拘束されているのは両手を使えたらまずいということで、実際の力は念力に留まらない可能性もあります。

また、拘束されて尚逃げ出さないでいるのも不可解です。彼は何故あの館・ネストで黙々と働くのでしょうか……。説明文の「愛人」が誰なのかも気になります。館の主・プリテンダーなのか、それとも。

彼の役割は「ネストの家事」もしくは「プリテンダーの養育」でしょうか。

PRETENDER/プリテンダー

ネストに住むとても小さな少女はおもちゃが大好き。そしておもちゃでないものは、「保育所」では長くもたない。

白髪の小柄な女性で、外見と説明文からして大きさは子供と同じくらいだと判断できます。というか恐らく子供でしょう。人形と一緒にいることが多く、触れた子供を人形にする能力をもつようです。

名前の意味は「ふりをする者」「詐称者」。人形のふりをしている、という意味でしょうか。

何か怪しい工作してるオッサンや超能力使えるジジイしかいない館で寂しいのか、人形と友達のように振る舞います。一方、気に入らない人形を引きずるような、乱暴な一面もあります。

やはり気になるのはその力。執事の念力と違い、レディに似た、生命力を吸い取る力とも解釈できるからです。そう仮定すると、このような考察が可能です。

彼女は次のレディなのではないか。そして、ネストは次のレディを育てるための場所なのではないか、と。

そう考えると、プリテンダーとレディには、力の他にも人形を愛でるという共通点があります。また、館の名前が「ネスト」=「巣」なのも意味ありげです。

また、実は名前にはもう1つ意味があります。それは「王位を狙う者」。

黄色いレインコートの少女

既に『VERY』の物語を最後まで見た方ならご存知かと思いますが、この話の主人公はシックスではありませんでした。プリテンダーに襲われて落ちる場面では、はっきりとおさげが見えます。

公式に名前が設定されていないため、一般的に「黄色いレインコートの少女」などというおさるのジョージを飼っていそうな名前や、タイトルから「ベリー」という名前で呼ばれています。ここでもベリーとしておきましょう。巷ではファイブだのフォーだのと色々と呼ばれていて大変なのよこの子。

ベリーが水没した後、レインコートだけが浮かんできて、ベリーに協力した黒髪で白服の少女が崖を下りてきます。こちらの子供が本物のシックスなのでしょう。

ベリーからシックスへ、黄色いレインコートが受け継がれたのです。

それではベリーは何者だったのでしょうか。館にいた子供? 彼女は最初、気球の籠らしき物の中にいました。人形が映画鑑賞をしている部屋の後ろに気球の絵があることから、この気球はネストに元々ある物のようです。

また、シックスは最初からネストにいたのでしょうか。詳しくは『Ⅱ』の考察で。

『VERY』は本編よりも考察できる材料が少なく、どちらかと言うと本編の考察の補強として使った方が良いのかもしれません。

黒髪と白服の少女

ねえ、この子がシックスだって誰が保証してくれるの?

めっちゃ圧掛けてみましたが、この子がシックスだという確実な描写はどこにもありません。確かに『VERY』の最後に、水面のレインコートの方へ向かっていってはいます。で、その後レインコートを取ったかどうかなんて誰にも分からないですよね。

もちろん、ここまで描写したならレインコートを取ったのは確実でしょう、そう言いたいところですが、『リトルナイトメア』ってやつはいつも常識をぶち破ってきやがるんですよ本当に困る。実際、黄色いレインコートの少女はシックスじゃなかった。私たちは既に騙されています。2回騙されたっておかしくない

よしんばレインコートを取ったとして、その後この子からさらにシックスへレインコートが渡った可能性だってあります。

この子がシックスである可能性は高いです。でも確定させてはいけません。『リトルナイトメア』は常に私たちを欺こうとしているのですから。

さいごに

長々と『LITTLE NIGHTMARES』シリーズについて考察してきました。しかし、この考察には前提がたくさんあり、そして前提が覆ることはリトルナイトメアではお馴染みのことです。私がした考察に間違いがあったり、または「こんな考え方もできるのでは?」という新たな意見がありましたら是非コメントでお知らせください。

『LITTLE NIGHTMARES Ⅱ』の考察記事はこちら↓

tenshi-shitsuzi.hatenablog.com

また、リトルナイトメアの考察の助けになる動画を幾つか紹介します(敬称略)。本記事で動画を引用させていただいた方もいます。

 

鳥の爪団

神話やタロットカードなど様々な角度から広範な考察を行う方で、新たな視点に驚かされます。情報入手の早さも界隈随一で、定期的に考察動画を挙げてくださるリトルナイトメアの生き字引です。実況も行っています。生声解説です。

www.youtube.com

 

ごりえ

日本人で唯一、MODを用いたゲームの解析を行っています。考察などもしています。字幕解説、最近は生声解説も行っています。「5分でわかるリトルナイトメア」シリーズがとても参考になります。

www.youtube.com

 

VikanGaming

海外の方で、私の知る中では最も多くの考察をしています。MODの解析も行っており、世界一リトルナイトメアを考察しているといっても過言ではありません。字幕や生声で解説しているので、英語力に自信がある人におすすめです。英語が分からなくても雰囲気だけで楽しめます。

www.youtube.com

 

リトルナイトメアのMAD作ってみたんでよかったら観てください。いや~流行りに乗ろうと思ったんですが、ちょっと遅かったようですね。

youtu.be

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。ところで記事に人が流れ込まないので、全然違う記事を宣伝させてください。

tenshi-shitsuzi.hatenablog.com

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