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LITTLE NIGHTMARES Ⅱ / リトルナイトメアⅡ 考察

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『LITTLE NIGHTMARES Ⅱ』だけでなく、前作『LITTLE NIGHTMARES』のシックス編とキッド編、スマホアプリ『VERY LITTLE NIGHTMARES』、アプリコミックのネタバレを含みます。海外のコミックのネタバレも含みます。

英文に関して、独自の日本語訳を紫色で示します。

『LITTLE NIGHTMARES』『VERY LITTLE NIGHTMARES』の考察はこちら!↓

tenshi-shitsuzi.hatenablog.com

『LITTLE NIGHTMARES Ⅲ』の記事を公開しました。

tenshi-shitsuzi.hatenablog.com

ストーリー

※既に把握している方は読み飛ばしてください。チャプター名はトロフィーに準拠しています。

チャプター1『深森』

歪んだ廊下の奥の扉の悪夢……。紙袋を被った少年・モノは森で目覚める。トラバサミなどの罠を回避しつつ進むと、小屋を発見。地下室にはオルゴールを抱えた少女・シックスが幽閉されていた。最初はシックスがモノを突き飛ばし逃げるものの、すぐに協力関係になる。そんな二人を襲うのはショットガンを持ったハンター。銃弾をかいくぐるも、小さな小屋に追い詰められる二人。しかしそこには予備のショットガン。シックスが銃身を抱え、モノが引き金を引き、ハンターを射殺。既に森の端へ着いており、二人は浜の扉を舟として水面へ。やがて現れたのは巨大な街だった。

チャプター2『学校』

街に着いた二人がある建物に入ると、突然テレビが光り出す。誘われるように画面に手を当てたモノが、放送局の電波を合わせる。するとモノは夢に見た廊下に着く。扉へ向かう途中でシックスがテレビからモノの手を引き離す。

学校に到着早々、いじめっこがシックスを誘拐。モノはハンマーを手にいじめっこを破壊しつつ進む。しかし敵は彼らだけでなく、首を伸ばせる先生もいた。いじめっこが集う食堂では、既に破壊したいじめっこの頭を被ってやり過ごす。やがて逆さ吊りにされたシックスを発見、救出。先生に追われつつも通気口から学校を脱出した。

雨が降り始めていた。寒さに震えるシックスは黄色いレインコートを見付けて被った……。

チャプター3『病院』

病院に入ると、またもテレビが光り出し、前回と同様の経過を辿る(モノが扉に近付いている)。一旦シックスと行動を分かつモノは患者から逃げつつ仕掛けを解く。合流した二人を迎えるのは天井からぶら下がるドクター。ベッドの下に隠れながら進むが、最後は執拗に追われる。モノは彼を焼却炉へ誘導、シックスと協力してドクターを焼き払う(ただし扉を閉じた段階で脱出可能)。

チャプター4『ペイルシティ』

巨大で不気味で歪んだ街。途中入った家が崩落、ソファの下敷きになったシックスをモノが救う。その奥でテレビが光り出し、そして遂にモノが扉を開けてしまう。その向こうに座っていた人物……ノッポ男が立ち上がる。シックスがテレビからモノを引き離すが、時すでに遅く彼が這い出てくる。それと共に時間の進みが遅延。ノッポ男は空間までも歪ませてシックスを誘拐してしまう。モノがテレビに入ると、別のテレビへと移動した。

街の住民はテレビに夢中。しかしテレビが消えたり壊れたりすると追いかけてくる。彼らから逃げ切るとテレビを発見。シックスが助けを求め、モノが引き摺り出そうとするが、ノッポ男により妨害。代わりに彼が追ってくる。廃列車を切り離すことでその手を逃れる。

シックスのファントムを追うと、シグナルタワーの正面の道に着き、ノッポ男と相対。ここでモノは紙袋を捨て、力を解放しノッポ男と衝突、彼を消滅させてしまう。モノがさらに力を使うと街が歪み、モノはシグナルタワーの前まで瞬間移動した(あるいはタワーを引き寄せた)。

チャプター5『-』

タワーの中は紫の光に満ち溢れ、様々な物が浮遊し、扉が大量にある異常な空間だった。流れるオルゴールの音を追って扉を抜けるモノの前に現れたのは、巨大化し腕も長くなった、変わり果てたシックスだった。オルゴールを大事そうに抱える彼女に、モノが声を掛けると、苦しむ仕草を見せる。その隙にハンマーでオルゴールを叩くと、さらに彼女は悶え、激昂し追ってくる。声を利用しつつ何度もオルゴールを叩き、遂に破壊。シックスは元の姿へ戻った。

しかし壁や床は肉壁のような異常な物質に変化し、大量の目玉が浮き出ていた。シックスが元に戻った瞬間、それが迫り来る。タワーの崩壊が始まった。テレビの画面のような出口が見えたそのとき、足場が崩れる。モノはシックスの手に掴まるが、彼女はその手を離す。モノは落下、シックスは独り脱出する。

肉壁で覆われた空間に佇むモノ。椅子を発見し、そこに立つ。肉壁が、その目が迫り。一瞬にしてそれらが消失。モノは椅子に座る。時が流れる。モノは成長していく。時が流れる。服がスーツになる。時が流れる。彼は帽子を被る。時が流れて、モノはノッポ男となり、扉に幽閉された。

テレビから出たシックス。その影から、シックスのファントムが現れ黒い形を成す。ファントムはモウのチラシを見て消えた……。

アプリコミック

何と唐突に『Ⅱ』に関するコミックが無料公開されました。

入手はこちらから↓

apps.apple.com

play.google.com

章立てになっており、現在6編が公開されています。その内容を紹介します。

1:シックス

森の中、シックスハンターから逃げます。一度彼を撒いたシックスは樹上で月を背に佇むモノを発見(めちゃくちゃかっこいい)、直後ハンターに捕獲されます。

小屋で会うより前から両者に面識があったという重要な資料です。しかし、時系列的にゲーム開始以前にこのシーンが入ることになり、違和感が残ります。

2:深森

目隠しをし、民族風の格好をした少年(あるいは少女)が森の洞窟で得体の知れない動物に襲われる悪夢を見ます。その後、ハンターのものに見える物置の近辺で、テレビから出現したノッポ男に攫われます。

誘拐の直前、目隠しを外すような描写がありました。目隠しをしている点から、幼少期の管理人との説が浮上しています。また、夢の中で彼(彼女)を襲ったのは、深森の隠し部屋の生物と同一ではないかとも言われています。

この子供は森にいたので、ウッドちゃんとでも名付けましょう。

3:病院

三つ編み2本の、鼻血が止まらない少女が、病院の部屋で床を掻きます。突然ドアの外から滑り込んでくるスプーン。それを用いて地道に穴を掘る少女。スプーンが壊れると新しい物が提供されます。まとめて渡せよ。その数を壁に刻みながらなおも掘る少女。74本目のスプーンで脱出した先はまさかの同じ部屋(ただし、出口には到達したが一度戻ったという説もあります)。そこでなぜか扉が開きます。廊下を歩く彼女の後ろには天井にぶら下がったが……。

スプーンを提供したのが誰なのか、なぜ扉が開いたのか、なぜずっと鼻血を出しているのかなど、一際謎が多い章です。

ちなみにスプーンを提供した者の陰は大人サイズでした。しかし地面に立っていたのでドクターではありません。また患者とも考えにくいです。他に誰がいるというのでしょう?

この子供をスプーンちゃんと名付けます。

4:学校

誰かが誰かに蹴落とされる場面からスタート。それを見た、キャンディを持った少年がいじめっこから隠れています(この少年はいじめっことは違い、一般の子供です)。キャンディで次々いじめっこを撲殺する少年。食べ物で遊ぶな。恐怖からかずっと泣いています。校庭に出ると、最初に蹴落とされたいじめっこがいる。生死を確かめるように彼を脚で触る少年。そこに足音。ロッカーに隠れますが、彼女の目を逃れられるはずもなく。

私的には一番怖かったです。

学校にはいじめっこだけがいるのではないという資料です。また、この話の主人公は服が綺麗な点、小太りしている=よく食べている点、さらにキャンディを持っている点から富裕層ではないかとの指摘があります。

この子供はキャンディ君としておきます。

5:ペイルシティ

白い布に2つの穴を開けた子供の目線です。彼(彼女)は街の家におり、視聴者(仮)がテレビに釘付けです。積み上げられた皿から残飯を盗み、檻に近付きますが、中のねずみは頭が取れています。血の跡を辿ると、瀕死のねずみを発見。それを抱えて窓からの脱出を謀ります。飛び移れそうな場所を発見しますが、高所に足が竦むうちにテレビが消え、彼らが動き出す……。

ねずみの首が無いのに気付かず、人面ねずみだと思っていました(笑) なぜ頭が無いのかは不明です。状況は、2匹目のねずみが食べたことを物語っています。それでは共食いでしょうか。そんなまさか……と思って調べてみたら共食いすることはあるそうな。流石ねずみ、たくましい。しかし、それにしても頭だけを食べていくことが果たしてあるのでしょうか。

この子供はおばけみたいな恰好なのでゴーストちゃんですね。何で名付けているのかは後ほど分かります。

6:モノ

床下にいるモノ。顔を出すと建物の中は大火災。子供が慌てています。扉には鍵が掛かっていて開かない。散水装置が起動、炎が消えるも、上方より何者かの手が現れ、次々に子供たちを攫っていく。一人別の部屋へ逃げるモノ。窓から逃げようとするが、追手が来る気配。壊れたテレビの中に潜みます。人影が部屋に入ってきて、テレビの前に立ち……。い や な お と 。

トップレベルに難解です。モノの過去と思しいですが、そもそも何の建物なのかが分からない。散水装置が起動するあたり、しっかりした建物です。子供たちは皆オーバーオールを着ており、上述した通り裕福である可能性があります。

シックスを攫った場面から見て、手の主はノッポ男でほぼ確定です。彼は確かにモノを捕捉しました。しかしながら、モノは本編にちゃんといる。これはどういうことなのでしょうか。

HUNTER/ハンター

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彼はたぶん厄介だよ。油断禁物! あの小屋は戦利品でいっぱいだから。

ハンターは錆びたショットガンとランタンを掲げ、独り荒野を徘徊する。何のために生きているのか。どうやら剥製に強く執着しているようだ。

深森編で相対する敵であり、『Ⅱ』における記念すべき最初の障害です。たぶん狩猟免許は持ってない。

少しボロボロな狩人の服を着込み、右目の部分に穴を開けた麻袋のような物を被り、その上に帽子を乗せています。ショットガンを携帯し、ランタンで暗い森を照らしながら徘徊します。また、網や籠、トラバサミなどの罠を深森のあちこちに仕掛けています。

初の物理的遠距離攻撃を使う敵です(シェフが皿を投げてたのはノーカン)。射撃の精度は非常に高く、動き回る小さな子供ですら確実に撃ち抜きます。そのため箱などの陰に隠れてやり過ごす必要がありますが、銃弾によって破壊されてしまうため、すぐに次の物陰を目指さなければなりません。

一方で獲物が草むらや沼に隠れていると気付けません。ちょっと頭が出ていても大丈夫なのはお茶目ですが、視界が狭いのである意味当然です。逆に獲物が音を出すなどして位置が分かりさえすれば、やはり優秀なエイムを見せます。

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そんなハンターが住む小屋には、不気味な物があります。それは動かない大人4人です。うち3人は団欒をするように机を囲み、1人は屋根裏部屋でレバーを持っていました。説明文によれば、彼らはハンターによって剥製にされてしまったようです。一応人間の形を保ってはいますが中身は腐っており、モノの力でも腕が取れてしまうほど脆くなっています。

その家族構成を考えると、食卓についているのが父、母、子。屋根裏部屋にいるのが祖母とした場合、祖父が残ります。父と祖父が反対の可能性もありますが、いずれにせよハンターが入る隙間があるということです。

考えられるパターンは3つ。まず、ハンターは家族を殺害して剥製にした。この場合、家族と不和が生じたので、殺して理想の家族にしたと思われます。次に、家族が皆死んでしまい、その死を受け容れられずに剥製にして蘇らせた。最後に、ハンターには家族がおらず、赤の他人を殺して自分の家族を作った。

どのパターンも狂ってますし、無理に1つに決めなくてもよいでしょう。

また、小屋には一つ、子供のような写真があり、ハンターの幼少期または彼の息子・娘ではないかと言われています。

そんな彼との最後の戦いは熱かったですね。私は興奮しすぎて鼻血が出ました。また、管理人との共通点が見える戦いでもありました。以下の点ですね。恐らく意識しているのでしょう。

・最初に遭遇する敵である

・狭い部屋での最終決戦

・腕の切断、銃撃などの直接的な暴力描写

・倒した敵が扉の向こうにいて見えない

・敵を倒した衝撃で部屋から出られるようになる

私はトラバサミを逆利用してハンターの動きを止めると思っていましたが、予想が外れました。しかしコンセプトアートによれば、構想の一つとしては存在したようです。

また、その後に重要な事実が明らかになりました。深森と街の間には川(今はとりあえず川としておきます)があるということ。ここから、ハンターの役割が考察できます。

それは、街から川を渡って逃げ出した者の殺害

ハンターの小屋は森のあちこちに設置されており、端の小屋には予備の銃までありました。シックスとモノが脱出した窓は、ちょうど外を窺い銃を出すのに適切な高さです。凶悪な街から逃げ出そうとする者がいれば、撃ち殺していたのかもしれません。

さて、ハンターの小屋について、ある説が浮上しています。1つ目のヒントはノーム。追加コンテンツの購入者のみが入れるとはいえ、小屋の屋根裏部屋にはノームがいることが明らかになっています。他の場所には現れません。2つ目のヒントはハンターの顔。『Ⅱ』に登場する敵で彼だけが顔を隠しているのです。そして3つ目のヒントは……割れた鏡。

もうお分かりでしょう。この小屋にはレディがいた可能性があります。彼女は子供をノームにする能力をもち、彼女の周りの者は顔を隠し、彼女は鏡を割ります。3つの要素がハンターの周囲に集ったことは偶然でしょうか。ただし、既にレディがいないにも関わらずハンターが顔を隠しているのは不自然ですが……。

また、彼女がいたとしてその目的は何でしょう。街から逃げてきたのか、それとも街へ行こうとしたのか。

BULLIES/いじめっこ

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学校編で大量に現れる敵です。日本語名の予測が珍しく的中したので嬉しいですが、いじめられている子供も含めていじめっこと呼ぶのでややこしい。学校に関する考察は先生の項で詳しくするとしましょう。

白い陶器のような、中が空っぽの頭部をもち、多少欠けても行動可能です。しかし完全に割れてしまうと活動を停止します。叩き割られると黒い煙が出る、真っ白な顔と、どことなくレディを連想させる要素が詰まっているようです。

モノが倒したいじめっこの頭を被るという予想の斜め上の展開がありましたが、これを見ると流血表現を避けるために割れる描写をとっているというより、意図的に無機物である可能性が高まってきました。

いじめっこは先生の前ではいいこに振る舞いますが、その目が届かないところでは思い思いに暴れ回ります。ご丁寧に机や椅子で要塞を建設、秘密の通路も完備、仕組みがどうなっているのか大量のアイワナ罠まで仕掛けています。挙句シックスを攫って逆さ吊りにするなどやりたい放題です。

一方、いじめられているいじめっこ(?)もいます。彼らにも個性があると信じたいところですが、単にいじめっこといじめられっこで二分されている可能性もあります。

そんな彼らに関連する奇妙な人物がいます。チェスの駒を用いた謎解きの際、キングの駒に結びつけられていた子供です。彼、実はよく見ると瞼があり肌も肌色で、いじめっこではないことが分かります。謎を解くと開く本棚の裏には椅子があり、壁に描かれた落書きは、その椅子に座った人物が汚されるように位置しています。

アプリコミックの内容も踏まえると、学校にいる子供の全てがいじめっこではないようです。

TEACHER/先生

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彼女のやり方は変わってるけど、文句を言ったらいけないよ。

確実に不良生徒を見付ける先生のクラスには、優秀な生徒しかいない。

学校編で出会う敵です。たぶん教員免許は持ってない。

珍しく顔が明らかになっており、リトルナイトメアの中ではかなりまともな外見をしています。しかしそれは一つの姿に過ぎません。管理人が腕を伸ばしたように、彼女は首を伸ばせます。その長さは確認される限りで20~30m前後。ダクトの壁程度なら凹ませるほどの強度をもちます。首の長さが災いしてか、最も多くのバグが確認されている敵でもあります。アンリアルエンジンは健闘したと思う。

攻撃方法はシンプルに噛みつきです。予想では冗談半分でしたが、いざやられると怖い。ステルスでは一度見つかると長い首の前に逃走はほぼ無意味で、机の下に隠れても発見されます。目が見える上に腕が無限に伸びる管理人みたいなもので、個人的にはハンターより怖かったです。

教科は理科が確認されました。本物に見えるほどリアルな人体模型を作っていたので間違いないでしょう。また、ピアノを弾いて作曲らしきことをしていたので、音楽の心得もあるようです。ただそれ以上に、小学校教諭なら全教科受け持ちという可能性があります。

すると役割は「教育」言い換えて「洗脳」といったところでしょう。幼い子供に何かを教え込む点では、教育は洗脳とも言えます。とはいえそれで生徒が良い方向に向かうならわざわざ洗脳などと不穏な言い方はしません。この学校で生徒が向かう方向は……良いとは言えないでしょう。

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ノームの帽子を被せられ、繫がれたいじめっこ

こちらの子供、いじめっこの中でも目立っていますね。

アメリカの学校では、「できがわるい」子供に三角の帽子を被せてお仕置きしたらしいです。現在では行われていないこの風習が元ネタではないかとの説が濃厚です。ましてノームはリトルナイトメアの世界において下等生物の扱いを受けていますから、その帽子を被せるのは……つまり見せしめですね。

さて、なぜこの生徒は劣等生と判断されてしまったのでしょう。この子が描いている絵にタワーやテレビが含まれていることを考えると、「勘のいいガキは嫌いだよ」ということでしょうか。子供に都合の悪いことを悟られてはたまりませんから。

できるだけ都合が良い子を育てる、これが先生の役割ではないでしょうか。黒塗り教科書で有名な日本の戦時中の教育は、実際にそういった観点で行われていました。

一方、それとは真逆の仮説もあります。一人で学校全てを管理するというのは不自然です。というか、実際管理しきれていません。先生が黒板に書いている文字も、いくら文字が無いゲームとはいえグチャグチャすぎます。

そうなると学校自体がそもそも虚偽なのではないかと思えるわけです。そもそも生徒がおかしい姿ですし。

先生は脳を集めていました。モノが脳を投げてボタンを押すシーンがありますが、別に特別脳である必要はないはずです。何か意味があるとすれば、一つの可能性に当たります。先生が何らかの力を用いて子供から脳を奪い、いじめっこにしているという可能性に。突飛ではありますが、この世界に生きる者は不思議な力を持ち合わせることも多いので、あながち的外れとも言えないのでは。

するともはや教育とも言えません。彼女は学校と名付けた箱庭で、思考しない生徒を相手に先生ごっこを続けているのかもしれません。

先述したキングの子、彼は何かの理由で脳を奪えず、いじめっこにできなかったという可能性もあります。

ところで彼女が弾いていたピアノの曲の題名が"Étude for a Minor"でした。エチュードというのはピアノの練習曲です。それはいいとして、"Minor"の訳し方に困っています。基本的には「少数派」なのですが、先生あんたそんなキャラだっけ? あるいは「未成年」という意味もあり、そちらは通らなくもないのですが、子供を表すなら他の表現もあるだろうになぜ「未成年」? また、単数形なのも気になるところ。特定の誰かに向けての曲なのでしょうか。

上記の件についてコメントでご指摘いただきました。"Minor"には「短調」という意味があるそうです。音楽知識が無いのでよく分かりませんが、あの曲も雰囲気的に多分短調ですよね。多分。ご指摘ありがとうございました。

PATIENTS/患者

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病院編で大量に現れる敵です。

頭部・四肢が無機物に置き換わっており(あるいは無い)、動ける者と動けない者がいます。動ける者も、闇の中でだけ行動でき、光が当たると動作を停止します。

手のみが分離した場合、素早く動き、ダクトの中まで追ってきます。殴ることで撃退でき、最終的には倒すこともできます。

手だけのときや、扉から腕だけを出してきた際には、光を当てても動きが止まりませんでした。つまり、この特性があるのは胴体だけだと思われます。つまり胴体だけが人間のままであると。

また、彼らのいるエリアには電気椅子があり、座った視線の先には黒い渦巻きの絵があります。これを利用することで人間が患者になってしまうのかもしれません。

説明文の「醜く歪んだ」の部分から、彼らは元々視聴者(街でテレビを見ている彼ら)であった可能性があります。

DOCTOR/ドクター

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病院編で立ちはだかる敵です。たぶん医師免許は持ってない。

唯一メインビジュアルに映っていない上に登場時間が短く、天井にぶら下がるという強烈な個性をもっていながら影が薄い、でも最期には燃やされる、そうでなければ餓死するまで火葬炉の中、という不憫な人です(※個人の感想です)。

太った体に白衣を纏っており、天井からぶら下がって行動します。その原理ですが、天井のタイルを幾つか外しておき、そこに手足を引っ掛けて移動しているのです。驚異的な握力・膂力・腹筋・脚力です。また、短めの芋虫のような体形なので、床にも手が届きます。動く腫瘍にも見えます。

彼の役割は「治療」……なわけがなく、医者として患者を集めて改造する自由を与えられた代わりにマスク(患者に頭部・四肢が無いことから手足も?)を納品する仕事をしているという感じでしょうか。

ではなぜ彼は患者を改造しているのでしょうか。

病院編の終盤には、カーテンに覆われた病床があります。そこには生命維持装置を付けられた患者がいるようです。彼(彼女)だけやたら好待遇に見えます。装置が止まった際には、かなり焦った様子でした。この患者、ドクターにとって特別な人なのではないでしょうか。そう考えると一つのストーリーが思いつきます。

カーテンの患者はテレビを見て顔が歪んでしまった、もしくは事故などで四肢を失ってしまった。ドクターはそれを治すために、他の患者を使って実験を行っている。それなら、「完璧であることを最優先する」のも頷けます。

全ての患者が動いていないこと、動ける者も光に当たると動けないことから、カーテンの患者を治療する試みは中途だったようです。しかし結局ドクターは死んでしまいました。やっぱり不憫。

……まあ、もっとエグイ考察をするなら、ドクターが一方的にカーテンの患者を愛しており、自分の理想の形に作り直そうとしている説もあるのですが。

暗喩として、「逆さまの医者」これは闇医者ということでしょう。先生と同様、お医者さんの言うことは信用できますが、時に倫理を損なった医者がニュースで話題になります。また、四肢を失った患者は、そのまま「違法な臓器移植」をされている象徴なのかもしれません。ドクターを無根拠に信じたことで、自分の体が売買されることに気付けないのです。

VIEWER/視聴者(仮)

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https://en.bandainamcoent.eu/little-nightmares/little-nightmares-ii

The Viewers live life through the screen and cannot imagine a world without it. All those wonderful colours, sounds, and shapes, dancing before their eyes, mesmerising them, pacifying them, fatting them up. The Transmission gives them all they need, and demands only one thing in return...

(LITTLE NIGHTMARES II | Official Website (EN) (bandainamcoent.eu)より)

視聴者はテレビと一緒に生きている。テレビが無い世界なんて想像もできない。テレビの美しい色、綺麗な音、素晴らしい画面が踊り、彼らを魅了し、なだめ、肥らせる。電波は視聴者に必要な全てを与え、見返りにただ一つのことを求める……。

彼らはいつも言うのさ、テレビが心を腐らせるはずがないって。

ペイルシティ編に現れる敵です。英語での名前は公開されていますが、なぜか日本語の名前は公開されていませんので直訳をそのまま仮名としています。今後日本語名が出る場合、恐らくは視聴者になると思います。

全然考察と無関係だけど、彼らに追われるBGMめっちゃかっこいいと思うの。

住民の成れの果てです。顔から目や鼻、口が消え失せ、表皮が膨らむか凹むかしています。常にテレビに夢中、というより異様な執着を見せており、テレビを観るためならその間に穴があろうと進みます。逆にテレビが消された場合、モノを襲いますが、その際に顔から青白い光を照射し、不明な手段で殺害します。

執着の程度には個人差があり、テレビに顔を突っ込んで死んでいる者もいます。あるいはタワーを直接見ている住民もいました。まさに産地直送。途中で力尽きてボトボト落ちてしまいます。このことから、有害なのはテレビ自体ではなく、あくまでタワーから発せられる電波そのものに仕掛けがあると考えられます。

また、ペイルシティには人が溶けて服だけが残されたような風景が多数ありますが、コンセプトアートに「テレビが視聴者を引き摺り込んでいる」絵があることから、彼らはテレビに吸い込まれたと見てよいでしょう。その後どうなるのか。

テレビやタワーの内側には肉壁のようなものがありましたが、あれになったと見るのが妥当でしょう。それが説明文の「見返り」だと思われます。モウと同じように、住民を取り込んだタワーがさらに次の住民を誘うというスパイラルですね。

暗喩としてはメディアを盲信する大衆でしょう。メディアの情報には、それの善悪はさておき、大なり小なりバイアスが掛かるものです。提供される情報を鵜呑みにするのではなく、よく考えて情報の取捨選択を行うことが良いとされています。

しかし、感情を煽るニュースが注目されがちなのも事実。デマが横行し、時に犯罪すら起こるネット社会への風刺なのかもしれません。

また、もっと身近な例で言えば、テレビに熱中し周りが見えなくなり、電源が切れると怒り出す視聴者、どこかで見覚えがあるでしょう。

スマホです。

近年、人々のスマホ依存が問題になっています。これについて長々語るのも野暮なのでしませんが、私たちもあまりにスマホに執着しすぎると……顔が歪み、画面に呑み込まれるかもしれませんね。

MONO/モノ

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紙袋の目的は分からない。今はまだ。

異常にひたむきな彼は、自身に課した仕事をやり遂げる前に諦めることが滅多にない。

『Ⅱ』の主人公の一人です。

紙袋を被っており、羽織った上着には鍵を携帯可能です。素顔はやや短髪で釣り目の少年です。棒状の物で「殴る」動作ができ、扉などの障害物を壊したり、いじめっこや患者(手)を退けることができます。

リトルナイトメアシリーズで初めて発話した記念すべき人物です。その台詞は”Hey, psst.”。日本語で言うと「やあ、ちょっと」くらいの呼びかけです。落下死の際にも「あー!」と叫んだり、割と喋る子です。

初登場は深森。モノが目覚めた瞬間テレビが光を失ったため、テレビで移動してきたと思われますが、どこから来たのかは最後まで明らかになりません。ちなみにこの場面、奥にもテレビが幾つかあります。

途中までは普通の子供のようでしたが、テレビが怪電波を発したときに放送局の電波を調整するという能力を披露。テレビの中に入り、廊下を進んで扉を開け、ノッポ男を解放しました。

ノッポ男の出現に際して頭を押さえて苦しみ、その後テレビ間を移動する能力も使えるようになりました。個人的には、失っていた記憶を取り戻し、それに伴って能力が解禁されたように感じます。シックスがテレビから出られなかったことから、この力は子供ではモノだけが保有すると考えてよいでしょう。

シックスのファントムを見た後ノッポ男と相対、帽子を脱いだモノは彼と同じような力を使い、消滅させてしまいました。さらに街をも歪ませ、シグナルタワーを引き寄せてしまいました。カメラMODを使うとその様子がよく分かりますが、マンホールの位置に注目しても、モノではなくタワーが移動したことが分かります。総合して、普通の子供ではないどころかあまりに強い力を内包した子供です。

余談ですが、扉に乗ったモノとシックスが街に着く場面、建物が僅かに動いているのですが、これ、モノが来たから動いたとも思えます。

変わり果てたシックスに対し、オルゴールを破壊し元の姿に戻し救ったにも関わらず、シックスから見捨てられました。タワーの中で彼はノッポ男になります。暗転の描写と時計の音から、「変身」に長い時間が掛かったとみてよいでしょう。

クリア後にノッポ男の帽子と共にトロフィーを入手できます。トロフィー「どう?似合う?」説明文「いいね!きみにピッタリだ…」。トロフィーからの最大の煽りです。しかも悔しいことにめっちゃ似合う。

さて、彼の名前に関する考察が盛んに行なわれています。モノ。それはギリシャ語で「一つの」を意味する単語です。

シックスが七つの大罪の6番目「暴食」である説と合わせると、1番目は「傲慢」となります。暴食と比べると傲慢は分かりにくいですが、彼の行動を振り返ればその本質が見えてきます。

モノは終始シックスを助けるために行動していました。ハンターに捕まっていた彼女を助け、いじめっこに攫われた彼女を助け、姿を変えられてしまった彼女を助けるために。

でもこれ、全部モノが勝手にやっているんですよ。

シックスの立場から見れば、モノに連れ出されたせいでハンターに撃たれかけるわ、いじめっこに攫われて逆さ吊りになるわ、ドクターに追われるわ、今度はノッポ男に攫われるわ、挙句の果てに大事なオルゴールまで壊されるわ、散々な目に逢っている。

恐ろしいことに、我々プレイヤーも「シックス今助けるよ」と言いながら彼女のオルゴールをぶっ壊しにいくわけです。

また、モノがシックスを助ける際の扉の開け方にも暗喩が見てとれます。国語で夏目漱石『こヽろ』を学んだ方は、「襖を閉め切った描写は心を閉ざしたことを表す」と教わったかもしれません。このように、扉は心の象徴なのです。

で、あろうことかモノは斧で扉をぶっ壊している。つまりシックスの心に無理やり土足で入り込んだというわけです。最終決戦でも、モノは度々斧で扉を破りました。

また、モノが声を掛けるとシックスが怯んでいましたが、この理由についても何となく察せられます。モノとシックスの出逢いは、この声掛けから始まりました。つまりシックスにとってモノの声は「怖い所に連れ出される」合図になってしまったのです。

まとめると、シックスを助けるつもりでかえって恐ろしい世界に彼女を晒した、彼女の心を理解しているつもりで実際は強引に捕まえていた、それが彼の大罪、「傲慢」なのでしょう。

しかし、ここに一点疑問が生じます。これなら名前が英語のワンでもいいのです。むしろシックスと揃えるならこっちの方が適当に見えます。

もう一度モノの意味を振り返りましょう。「一つの」。モノクロ、モノトーン、モノレールなど、一つのものを表すときの接頭辞でもあるのです。

これはモノの孤独を表すのでしょう。孤独だからシックスを欲した。でも彼女に見捨てられた。そして再び孤独になった。一人であることから逃げ出すことの叶わない、彼の運命を示した名前……。

THINMAN/ノッポ男(シンマン)

 

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ペイルシティ編に登場する敵です。英名と日本名の公開にラグがあり、英名そのままの「シンマン」の呼び名も多く用いられているので注意が必要です。というか、リトルナイトメアの考察を見る限り9割近くの方がシンマンと呼んでいます

帽子とスーツを被った長身痩身の男です。海外のドアは高さ2m前後で、それをくぐるのに身を屈めていたことを考えると、身長2m半くらいでしょうか。起立性低血圧に悩んでそう。人間じゃないというレベルの高さではないですし、個性溢れる他の敵と比べると、外見的な特徴に乏しいかもしれません。

しかし彼が纏うのは圧倒的な威圧感です。初登場の際の出演時間は1分前後ですが、その僅かな時間に「格の違い」を見せてくれました。明らかに他の敵とは一線を画しています。

その要素の一つが、時空間を操る能力。そこに居るだけで周囲の時間を遅延させ、また空間を歪ませることができます。これにより、遠くの子供を引き寄せて捕まえることができます。また、近距離なら瞬間移動も可能です。

一方、瞬間移動の後に立ち止まることがあったり、中距離以上の移動は不可能であるなど能力には制限があります。前記事ではレディの力を「黒の力」と呼びましたが、ここではノッポ男の力を街の色から「青の力」とでもしておきましょう。

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https://www.famitsu.com/news/201908/24181864.html

モノがノッポ男になるという衝撃的な展開はありましたが、私が敬愛してやまない考察系YouTuber鳥の爪団さんによれば、メインビジュアルの彼は後ろのタワーと重なって紙袋を被っているように見えるとのこと。最初から伏線は張られていたのです。

そのことについて触れられている動画はこちらです。私なんかよりずっとすごい考察をなさっている方なので是非ご覧ください。

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彼のモチーフとして考えられるものが幾つかあります。

まずはシグナルタワーそのもの。メインビジュアルでも重ねていたので、これは間違いないでしょう。

次に時計の針(長針)。『Ⅱ』には時計が多数登場する他、彼のBGMには時計の音が混じっています。後述するループ説と結びつけられるかもしれません。

ジャパニーズホラーの代表・貞子は言うまでもないでしょう。テレビの奥からの迫り、出てくる様子、瞬間移動など、要素は随所に見られます。彼が封印されていた扉の目も、貞子の目と似ています。開発元のTarsier社は前作から日本愛を見せていたので間違いないと思われます。余談になりますが、貞子ネタと思しきものは前作のノームの紹介画像にも窺えます。右の画像は呪いのビデオの不可解なワンシーンなのですが、完全に一致しています。偶然か、それとも細かすぎて伝わらないネタか。

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また、海外都市伝説ホラーの代表・スレンダーマンも意識していると思われます。黒いスーツで長身痩身、子供を攫うなどの要素が共通します。というかそもそも名前がThinmanにしてもSlendermanにしても「細い人」の意味で一致しますから。またTarsier社のあるスウェーデンには同じく子供を攫う”Svarta mannen”という怪物が伝わるそうですが、この名は「黒い人」という意味だそうです。詳細不明なのでモチーフだと強く言い切れないんですが……。

その他、子供を攫う怪物を調べてみたのですが、全世界的に「袋を持っている」「黒い」「ベッドの下にいる」要素が共通しているようです。ノッポ男は袋こそ持っていませんが、彼がシックスを攫ったのは寝室でした。また、そのときモノはベッドの下にいました。それすら伏線だったのなら、脱帽せざるを得ません。

そんな彼はモノに倒され消滅しましたが……本当に死んだのでしょうか。のちほど詳しく考察します。

恒例の役割考察もやっておきましょう。ノッポ男の役割は、まず間違いなく子供の誘拐とタワーの管理です。というか、幽閉されていたことを見る限り強制労働の可能性があります。

シグナルタワーは時空間が歪んだ異常空間を内包しています。その保持の形代として、言わばタワーの中枢としての犠牲になるのが彼の役割なのかもしれません。

あるいは、その運命から逃げ出すために子供を攫っているとも考えられます。

ついでにシグナルタワーに関する考察を一つ。前作の舞台モウのモチーフは名前の通り胃袋でしたが、それではタワーに相当する臓器はあるのでしょうか?

モノがテレビに入って移動する際、肉壁が見えました。空間が歪んでいるタワーを経由して瞬間移動を可能としているのでしょう。つまりテレビは端末、タワーはサーバー。コンピューターに近いのです。

そしてコンピューターが参考にする臓器と言えば脳。そう、シグナルタワーのモチーフはだと思われます。脳には「シグナル」が走っていますしね。ノッポ男がタワーの「頭脳」であったと解釈してもよさそうです。

ところで、彼に関する新しい情報があるので付記します。彼が最後に閉じ込められた部屋ですが、ドアの内側にはドアノブが無く、内からでは出られない構造になっています。これは書き忘れていただけで前から明らかになっていたのですが、問題は彼がいた部屋全体のことです。カメラMODによる解析が、新たな事実を見付けました。いつものことながら私が発見したものではないのでご注意を。

www.youtube.com

結論を言ってしまいますと、彼の部屋から出ようとするとシグナルタワーと同じ力が働いて部屋の後ろにループします。ドアノブどうこう以前に、絶対に出られない仕組みになっていたのです。このループは、モノがドアを開くことで解除されるのでしょう。

何回か示唆はしてきましたが、カメラMODが使われることを前提に作られていることが完全に確定しました。なぜなら、わざわざループするギミックをこの部屋に仕込んでもプレイできない以上、データを無駄に使うだけだからです。それを入れてあるということは、解析した人にさらに衝撃を与えるためにそうしたとしか考えられないのです。

恐るべし『リトルナイトメア』。

SIX/シックス

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『Ⅱ』のもう一人の主人公、『Ⅰ』でも大虐殺、じゃない大活躍した少女です。

最初はハンターの小屋に閉じ込められており、モノに連れ出されて行動を共にします。学校と病院の間でレインコートを着て前作の姿に。その後ノッポ男に攫われ、タワーの中で巨大化しました。モノによって元の姿に戻るものの、最後に彼の手を離します。

今回はAIによって動いてくれるため、助けてくれる安心感と、何をするか分からない不安がありました。シックスは特定の場面で特殊な行動を取ります。一部をご紹介。

・待機時、口を拭ったり咳き込む(暴食や病気の片鱗?)

・学校の校庭でボールを蹴る、シーソーに乗るなどして遊ぶ

・ブロックなどの玩具を手に取る(謎解きのヒントでもある)

独力でいじめっこを殺害

患者の指を折る

ドクターを燃やした焼却炉で暖をとる

視聴者を死体蹴り

特に太文字の行動について、凶行とされることが多いようです。しかし、私はそんなに変なことではないと思います。

校庭で遊んだり、玩具を拾ったり、シックスは子供なのです。彼女は子供らしい残酷さをもってはいますが、冷酷ではないと思います。例えば実際に、幼い子供が意味も無く蟻を踏み潰したりします。まだ生死・善悪の概念が覚束ない時期ですから、これは異常なことではありません。

小さい虫ならともかく、大きな生き物の生死に無頓着なのはやや不自然ですが、シックスは教育を受けていないと思われるので、そこの思考はズレがあるかもしれません。

とにかく、シックスはそのとき思ったままに行動しているのでしょう。いじめっこが邪魔だったからちょっと黙らせた、暇なところに指があったから折ってみた、寒かったからあったまった、死んでるか分からないから確かめた、または特に意味は無いけど蹴ってみた、みたいな感じで。

玩具を拾うのも、いじめっこを殺すのも、彼女にとって大きな違いは無いのです。だって子供だから。

そう考えると、なぜシックスがモノの手を離したのかも想像できます。それは単純に、大切な物を壊されたから。子供ってすぐ仲良くなったかと思えばすぐ喧嘩したりしますもんね。もしくは上述したように、傲慢なモノのせいで散々苦労したからとも考えられます。そういえばノッポ男に追われたとき、お前ベッドの下でビビってたよな? 的な感じで。

とはいえ、一度は手を取ったことなどから、別の理由があるという説もあります。

あの手を握る場面で初めてシックスはモノの顔を間近に直視できました。そこにノッポ男の片鱗を見たという説です。行動のタイミングにも筋が通ります。あるいは上の説との混合かもしれません。

ところで今回、シックスは本編中何も食べませんでした。『Ⅰ』で5回も空腹を感じていたことを鑑みると快挙です。

真エンディングでは、シックスの陰にファントムが現れ、それが消えるとシックスが空腹を感じているようにも見えました。また、ファントムは前作の食事シーンで度々現れた黒いシックス(シャドウシックス、ダークシックスなどと呼ばれる)にも似ていました。

一方、ラスボスとして立ちはだかったシックスは巨大化し、腕も伸びて、いわゆる「怪物」に成り果てました。私はこの状態のシックスをナイトメアシックスと呼んでいます。

まとめるとシックスにはこのような形態があります。

1:ノーマルシックス

2:ナイトメアシックス

3:シックスのファントム

4:シャドウシックス(暴食の象徴)

3と4は描写から同一と考えられるので、全3つの姿がありますね。

オルゴールを壊すとナイトメアシックスが元に戻ったことから、オルゴールが彼女を怪物化させていたと思われます。シックスの部屋には玩具が様々に散らばっていました。心は子供なまま、体だけ育ってしまった暗喩にも思えます。

加えて暴食の象徴たるシャドウシックスが最後に現れたことを鑑みると、ノーマルシックスは常に自分の片側の側面である暴食を抑え込んでいた、その際に拠り所としていたのがオルゴールを初めとする玩具だった。しかしタワーにて成長してしまいナイトメア状態になる。オルゴールが破壊されたことで暴食を抑えられなくなり、ナイトメア状態は解除されたが、代わりにシャドウシックスが表出した。

救いは無いんですか?(泣)

また、モノがノッポ男になったことから、同じようにシックスもレディになるのではないかという説が浮上しています。元々シックスが次の(役割としての)レディになるという説はありましたが、そうではなく本人になってしまうと。実はこの説、突飛なようで筋が通るのです。

まず、『Ⅱ』でライトを向けられたシックスはそれを嫌がっていました。やや過剰にも見えます。何より動作がレディのそれとかなり似ています。

それはこじつけだとしても。レディは歌をうたっていますが、その曲はシックスのテーマです。そしてオルゴールの曲なのです。昔聴いていた曲を歌っているのかもしれません。余談ですが、ナイトメアシックスの没ボイスもオルゴールの曲を苦しげに、泣くように口ずさんでいます。

レディのアトリエに、『Ⅱ』に出てきた様々な人物の絵があったり、手を繫いでいる2人の像(モノとシックスか)があったりするのも、シックスその人が作った部屋だとすると納得なのです。

でも、シックスが醜い顔になってしまうので、個人的には否定したいところ(笑)

ループ説と非ループ説

衝撃的なエンディングから、考察が盛んです。特に注目されるのが、リトルナイトメア2の世界はループしているという説です。一方で、ループしていないという説もあります。ここは貪欲に、両方解説することにしましょう。

ループ説

まずはこの世界はループしており、永遠に繰り返すのだという説。この説が有力視される理由として、色々の矛盾を解消できる点が挙げられます。

アプリコミックのエピソード1では、モノとシックスの出逢いが描かれていましたが、あのようなシーンはゲーム中に存在せず、また冒頭より前にあったとしても違和感がありました。

しかし、ループ説を前提にすると、これはゲームとは違うループでの場面であり、その世界では出逢いが異なっていたと考えられるのです。ゲーム冒頭、奥にたくさんテレビがあったことがその裏付けです。

また、シックスが度々モノに先行していたり、謎を解くヒントとなる行動をしていたのも、彼女がループしており記憶を保持していたと考えると筋が通ります。加えてシックスがいた小屋の壁の印は日数ではなくループの回数であったという考えが補足できます。

英語版のリトルナイトメア2の説明文には”her only hope is to guide Mono to the Signal Tower.”とあります。「彼女(シックス)の唯一の希望はモノをシグナルタワーへ導くことです」とでも訳せましょうか。シックスがなぜタワーへの道のりを知っているんだろうと疑問だったのですが、それも記憶保持により解決します。

他にもキャラクターの説明文にループを匂わせる文章が多彩です。モノの「永遠の休息」シックスの「多くのことを見てきた」ノッポ男の「終わりのない旅」など。

さらにシックスがモノを手放す場面のBGMのタイトルが"Nothing Lasts Forever"「永遠に続くものは無い」であったり、メインビジュアルや本編に時計が多く見られることから、状況証拠は出揃っている感じです。

それでは実際に世界がループしているとして、その始点と終点はどこなのか、ループはなぜ始まったのか、誰が何のためにループさせているのか、シックスはループを脱出したのか、もしそうならそれまでのループはどうなっていたのか、これからもループは続くのか、など疑問が尽きません。頭破裂しそう。順に考えていきましょう。

まずループはどこで始まりどこで終わるのか。単純にゲームの開始~終了だとしてみましょうか、それでも筋は通ります。つまりモノが世界に排出されたところがスタート、ノッポ男になってゴール、そうしたらまた新たなモノが登場。またはモノが椅子に立って、迫った肉壁が突然消えたところを終点としてもいいですが、実質はそんなに変わりません。その場合、モノがどこから来るんだって話ですが、それは詳しく語られていません。

一説ではアプリコミックのエピソード6の最後にモノが隠れたテレビから転送されてきたとのことですが、仮にそうだとしてもそれより前は分かりません。というわけで現状、ループ開始時点のモノの出どころは不明です。分からないものは分からない、さあ次にいきましょう。

次にループさせている人物が誰なのか。もちろん候補は時間を操るノッポ男です。

彼の動機は、大好きなシックスを自分の傍に永遠に置いておくことだと考えられるでしょう。それでこそ傲慢。

しかし、ノッポ男は時間を遅延させることはできても巻き戻すことはできない(できるなら彼には勝てません)可能性が高いです。また、どうにも彼個人でループを行っているとは思えないんですね。

となると怪しいのはタワーです、あの中でループしている可能性が高いですから。もっと言えばタワーを建てた者ですね。

前記事に詳しいのですが、私はモウやタワーを建てた存在、レディやひょっとしたらノッポ男より上の存在を想定しています。それは目をマークとする組織。ガバメントと仮称しています。

すると目的は危険因子すなわちシックスの幽閉でしょう。彼女が外の世界に出たら大変なことになるので、ループに閉じ込めている。実際、シックスは『Ⅰ』で大量殺戮をしています。ノッポ男は幽閉の役割を負わされているということです。もしかしたら公的には任務の達成、私的にはシックスの独占が目的だとも考えられます。

そんなシックスはループを脱したのでしょうか。恐らく脱したでしょう。チャプター5クリアのトロフィーは「放送事故」説明は「もうどうすることもできない…」。事故と言っている以上、誤算が生じたと見てよいでしょう。上述のBGM「永遠に続くものは無い」からも窺えます。

では元々のループはどうなっていたのか。モノがノッポ男にならないとどうしようもないので、そこは予定調和。誤算はシックスの脱出でしょう。すると本来、シックスは逃げ出せなかった。あとは永遠にタワーの中で生活ですかね。最悪ですね。

逆にループを脱出できなかったと考える説もあります。つまり『Ⅱ』に続く『Ⅰ』までもがループに含まれると。先程は書きませんでしたが、シックスがレディになる説はループしていないと成り立たないのです。ただ、そうなるともう手に負えない。今度はシックスの出自まで考えなくちゃならなくなるし……。

というわけでループは『Ⅱ』で完結、シックスはループから抜け出したとして、これからもループは続くのでしょうか。どうもそうは思えません。このループにおいてシックスが大きい要素であることは間違いなく、彼女が消えた今、ループもその意味を失っているからです。

つまり私たちが見たのは最後のループ。ノッポ男はこれからどうするのか。シックスを追ってくる可能性がありますね。最後に扉が閉まってしまいましたが、テレビはどこにでもある。モノを呼び寄せることは可能かもしれません、そしてそうすれば、モノを止めるシックスはいないので確実に扉は開き、ノッポ男は再び現れます。

ループ説はだいたいこんなところですね。驚異の文量。しかし私は非ループ説も推しているので、その解説もきっちりします。 

非ループ説

ループが行われていないとすると、モノがノッポ男になったことをどう説明するのかが重要になりますが、概ね2つの説があります。

・制服説(モノ≒ノッポ男)

・憑依説(モノ≠ノッポ男)

まずは制服説。ノッポ男という姿は、役職に応じた規定制服であるとする説です。これだけでは分かりにくいので、詳しく解説します。

ノッポ男の容姿が他の者と比べて特徴に欠けるというのは前述の通りです。つまり外見の無個性が最大の個性とも言えます。

このことから、モノのように選ばれた子供は全員ノッポ男(の姿)になると解釈可能です。先程ノッポ男の役割がタワーの管理であると考察しました。タワーが進化するか、ノッポ男が衰えるかして業務の遂行が困難になった際に、後任を探す目的で子供を攫うのかもしれません。

ゲーム中で言うと、モノが戦ったのは前任のノッポ男で、モノとは別の子供でした。彼は青の力を用いた「面接」、つまり戦いを行います。そしてモノが勝ったために役割を譲り渡したのです。モノは次のノッポ男になりました。……という感じです。

続きましては憑依説。

ノッポ男の体はノイズがかって揺らいでおり、そのことから肉体をもたないと思われます。

また、あれほど強い力をもっていた彼が、青の力を使いたてのモノにあっさり敗北したとは、少なくとも私は、思えないのです。

もう何を言いたいかはお分かりだと思いますが、つまり思念体、魂のような存在であるノッポ男は肉体が老化すると子供を攫い、その体を器として憑依するのかもしれません。戦闘は憑依のための儀式で、その後に子供の体を自分の体のように変容させるのです(タワーの力を使えば可能です)。

以上、2つの説を紹介しましたが、このように考えればモノ=ノッポ男ではないと説明でき、それに伴ってループしていないと言えるのです。

隠し部屋とファントムまとめ

『Ⅱ』に登場するファントムや、彼らがいる隠し部屋について考察します。

 1:墓地

深森の洞窟の奥。人間が埋まっており、シャベルが刺さっています。この死体が誰なのかは不明ですが、小屋にいた家族の欠員ではないでしょうか。その場合、ハンターがそれに成り代わった可能性があります。顔を隠して騙していたが、看破されたために殺害して剥製にした、とか。

2:大ねずみ

深森の洞窟の奥。大きなねずみ(カメラMODにより確定)がトラバサミに捕まって死んでいます。近くには巣箱がたくさんあります。ファントムはねずみを蹴っています。

3:トイレ

深森の小屋の近くのトイレの中。ファントムは鹿のような動物のシルエットが描かれた張り紙を見ています。ウッドちゃんが死んだと思われる場所に似ています。

4:砂浜

深森を越えた先の砂浜。近くにテレビがあることから、ノッポ男に拉致された可能性が高いです。

5:廃墟

学校へ行く途中の廃墟。ファントムは高所から下を覗き込んでいます。落下死の可能性があります。

6:校庭

学校の校庭。三輪車の近くにファントムが座っています。アプリコミックでいじめっこが死んでいた場所の近くにも三輪車がありました。

7:ロッカー

学校のロッカーの中。シグナルタワーの、珍しくかなり詳しい絵が貼ってあります。キャンディ君が死んだと思われる場所に似ています。

8:階段

学校の二階、階段の近く。ファントムは廊下の端に座っています。近くに縄があり、首吊り自死の可能性があります。

9:食堂

学校の食堂のゴミ捨て場。ゴミ箱に突っ込まれた謎の死体(詳しくは後述)と、もう一つのゴミ箱の上にファントムが座っています。

10:それ

学校から抜け出した先の通路。折り紙の舟に触るファントムがいます。この先でレインコートを見付けることと合わせて、映画『IT』のオマージュであると言われています。ハイィジョージィ!

11:手押し車

病院の共有病室、手押し車の近く。子供が使う物ですが、薬品の瓶が乗っています。

12:腕

病院、患者の腕が詰められた檻の近く。CMに出演したファントムです。ジャンプしています。

13:脱出

病院の一室。床に穴があり、壁に大量の数え印がある部屋です。ファントムは穴の縁に座っており、近くには掘削に使ったであろうスプーンがあります。スプーンちゃんがいた場所に似ていますが、背が届かない範囲にまで印があるので異なります。穴の中には何かがいるようで、物を投げると返ってきますが、チーズだけは返ってこないため、大ねずみがいる可能性があります。

14:浴室

病院の浴室。バスタブに触手のような物に覆われた死体があります。壁は自死防止のためか防音のためか、柔らかい素材です。近くには薬品があり、何らかの実験が行われたと見てとれます。

15:釣り

ペイルシティの下水道。釣りをしていたと思しきファントムがいます。落下死の可能性が高いですが、下水道で何が釣れるのでしょう。前作の老婆とか。

16:瓶

ペイルシティの街の一室。布団が敷かれ、写真が散らばり、瓶が吊るされています。瓶の一つにはカラスの首が突っ込まれており、ファントムはそれを見ています。布団は子供には大きく、大人には小さいです。

17:動物

ペイルシティの街の一室。大量の檻に何か生き物が入っています。暗く、その正体は判然としません。

18:レディ

ペイルシティの街の一室。一通り生活できそうな部屋で、ソファや冷蔵庫が揃っています。ドアの近くには何枚かの手紙とレディの銅像があります。ソファに座ると正面に位置する写真にはレディと思しき女性が映っています。ノッポ男が生活するには家具が低いため、レディ本人が住んでいたと言われています。

 

ファントムのいる場所は死が近くにあるので、名前からそのまま亡霊的存在と考えてよいでしょう。また、ノッポ男は子供を攫ってファントムだけを残せるとも解釈できます。さらに、シックスはファントムを見ても無反応なので、モノだけがファントムを見ることができる可能性があります。

トロフィーから考察

トロフィーから気になったものを抜粋して考察します。

・自由への飛翔「究極の自由だ!」

学校で紙飛行機を窓の外に飛ばすと得られるトロフィーです。英語の説明文が"Rebellion at its finest!"「最高の反乱だ!」となります。反乱とあることや、紙飛行機を飛ばして自由だと言っていることから、逆説的にここの生徒は自由ではないことが示唆されます。

・慈悲深きもの「殺したい…殺したいけど…」

ノームの帽子を被ったいじめっこを倒さず進むと得られます。このセリフがモノのものだとするならば、彼もそうとう残酷な性格ということになります。

・はらぺこ「成長期の男の子だもの」

病院の自販機で缶を出し尽くすと得られます。その回数、回。そしてはらぺこ。実に毒のある皮肉です。また、男の子と言っていることからモノにも言及していると思われますが、成長しすぎた彼に対する皮肉ともとれます。

異議あり!「穴にだって好き嫌いはある」

病院の隠し部屋の穴にチーズを投げ込むと、それだけは返ってこず、トロフィーが手に入ります。繰り返しにはなりますが、穴の中には大ねずみがいるのかもしれません。

・おてんばさん「あのう…前にも会いましたよね?」

ペイルシティの隠し部屋でレディの銅像を壊すと得られます。英語のトロフィー名"Unladylike"がなかなか効いてますね。また、モノ(=ノッポ男)がレディと面識があるようにもとれます。

ポストモダン「今日は郵便屋さんになった。きっと喜んでくれるはず!」

ペイルシティにて、郵便帽を被って届け物をすると、受け取り口から手が出てきて荷物を取ります。現在確認される限り唯一、無事な住民です。ポストモダンとは脱近代、彼あるいは彼女はテレビに頼らないようにしているのでしょうか。

また、「きっと喜んでくれるはず!」これはモノのシックスに対する思いだったのではないでしょうか。そう思って行動した結果は……。

さらにこの手の大きさ、近くの「荷物」から、この住民が管理人であるとの説も浮上しています。

・6かける20「大丈夫、聞こえてるよ!」

恐らくシックスを20回呼ぶと得られますが、なぜ20という数字が選ばれたのかが気になります。当然七つの大罪にはそんなものはありません。その積である120も含めて調べてみましたが、これといった結果は得られず、引き続き考察が必要です。

・青ざめた子供たち「ペイルシティに置き去りにはしないよ」

ペイルシティのファントム全回収トロフィーです。街の名前がここから分かります。ペイルという言葉自体に「青白い」という意味があり、どうやらこの色が重要視されているようです。

・放送事故「もうどうすることもできない…」

前述の通り、ループが途切れたことを示すように思えますが、英語のトロフィー名は"Signal interruption"「放送中断」ということで、あまり意味は変わらないのですが、中断という言葉が使われているのがやはりループの切れ目を示しているように感じます。

メタ的解釈

ゲーム内の表現が全て比喩であるとして、メタ的なストーリーを考えてみましょう。例えば前作だと、病原菌の西洋から東洋への伝播が浮かび上がりました(詳しくは前記事)。

前提として、これは少年と少女の物語です。

ある日少年は、閉じ込められた少女に出会います。彼女はハンターである父親によって過剰に保護されていました。少年は少女を連れ出しますが、父親がそれを許すはずもありません。少年は父親を殺し、少女を解放します。

2人は入学しますが、そこは先生の酷い教育によって頭が空っぽな生徒が集まる学校でした。少女はいじめられてしまいます。少年はその事態を看過できず、いじめっこをやっつけて彼女を助けました。少女の心は防御反応によって凶暴になっていました。

少女は入院しますが、その病院は闇医者の支配下にあり、患者はドクターを盲信して臓器移植の運命にも気付かない有様。少女の精神状態はかえって悪化し、少年はドクターを殺害して彼女と共に再び逃走します。

「異常な」2人は、世間の容赦ない好奇と嫌悪の目に晒されます。このままでは少女を守れないと悟った少年は背伸びして大人として振る舞い、少女を庇護下におきます。ところが、それは父親による保護と同質でした。少女は体だけが大人になり精神は幼いままの、歪んだ成長をします。

いつまでも少女の保護者でありたかった少年は、少女に子供でいることを無自覚に要求したのです。そうすることで初めて彼女を擁護できるからです。

しかしその幻想は終わります。少女は抑圧から解放され、自分一人で空腹を満たせる(生きていける)と気付いてしまいました。そして少年の手を振り払い、厳しい世界を孤独に生きることを決意し、彼の元を去りました。

……文学ですかね。分かりにくい表現が多くてすみません。

ノッポ男の背の高さは、「見下す」ことの暗喩です。少年は少女のために行動したのではなく、「可哀想な少女を助けるヒーロー」としての自分に陶酔していたのです。それは一見美しい絆ですが、その実態は見下していたにすぎなかった。

 ナイトメアシックスの異形は、前述の通り、心の成長が体の成長についていけない子供の暗喩です。少年に保護という名の束縛を受けた少女は、生ぬるい庇護下よりも、多少厳しくても自由を求めました。それで腕が長くなったのです。

幻のチャプター6

たまに話題になるチャプター6。ペイルシティの部屋に髪の長いシックスがいたりするステージですが、まず間違いなく試作段階のステージを置いてあるだけです。色々な動画が上がっていますが、「α版」と銘打ったのもありますよね。いわゆる没データというやつです。

ちなみにゲームに没データが残っているのは珍しくありません。ある程度制作が進んでから「やっぱこれ使わないわ」とデータを除くと、新しいバグが出る可能性があるからです。

このα版を見ると、モノの悪夢はノッポ男で、ステージ毎に迫ってくる予定だったと思われます。それはそれで面白かったろうな。

続編の可能性

まずはこちらの記事をご覧ください。公式ニュースです。

jp.ign.com

新規IPってなんやねんって話ですが、これは知的財産(Intellectual Property)のことで、要するに「新しいゲームタイトルの開発に集中するよ」ということです。暗に「『リトルナイトメア』の続編を作る予定は今のところ無いよ」と言っています。

マジか。

Embracerという会社がTarsier Studiosを買収しているのですが、その目的はこの新規IPであったらしいです。元々構想されていた『HUNGER』を『LITTLE NIGHTMARES』として発売したのも、その新規IPの前に小手調べくらいの気持ちだったのかもしれません。結果としてこのゲームは世界中で高い注目を集め、国内外問わず多数のプレイヤーを魅了しましたが、全ての権利はバンダイナムコにあります。

続編を期待する声も多いですが、実際作られるかどうかは今現在全くもって不透明と言わざるを得ません。もしかしたら新規IPの後に出るかもしれませんが、それもかなり先の話となるので、今は考えないでおきましょう。待ってたらノッポ男になってしまう。

その新規IPというのも楽しみです。『リトルナイトメア』シリーズを生み出したスタジオですから、そちらへの期待も高まります。

一方、前作と同じようにDLCが出るのではないかという予想があります。こちらはけっこう可能性が高いのではないでしょうか。そう信じたい。

前回は本編から1年ほど経ってからの配信で3章でした。『Ⅱ』のチャプター選択画面ではテレビのダイヤルが回されますが、この目盛りが3つ余っているのは意味深です。

ではどんな内容になるのか? 色々な考察を見る限り、これに関しては多くの方々の間で意見がある程度一致しているようです。

まず床屋が敵として登場との予想。コンセプトアートに存在しています。ドデカい鋏を手に、黒髪と白服の少女と相対しています。なかなか『リトルナイトメア』らしく職業に対応した敵です。

次に食堂のおばちゃん登場の予想。別にふざけてはいません。学校の調理場にはエプロンを着た太った大人の死体があり(顔は見えない)、またコンセプトアートに食堂のおばちゃん的ポジションの存在が描かれています。

敵に関してはこんなところで十分でしょう。前作のように、元からいるキャラクターを使うこともできますし。問題は主人公です。誰を操作するのか。

データ上にアプリコミックの子供たちのモデルがあるので、彼らを操作するのではないかという意見があります。その場合、モノとシックスを除いても4人いるため、3章の予想が崩されますが、章毎に主人公が変わるという新たな形の冒険が始まるかもしれません。

私個人としては……。床屋と共に映っていた黒髪と白服の少女が気になります。詳しいことは前回の記事を見ていただきたいのですが、この子もしかして『VERY』に出ている、主人公を助けた少女じゃね? と思っています。

一般にあの子はシックスとされています。しかしその証拠は無い。現に、黄色いレインコートは街に落ちていました。どんな時系列を想定しても、あそこにあるのはおかしいのです。シックスが最初から所持していなければおかしい。

そこで、黄色いレインコートは『VERY』の主人公から黒髪白服の少女に、その子からシックスに渡ったと考えると一応の筋は通ります。

レインコートを着た主人公が床屋だの食堂のおばちゃんだのを越え、ようやくあの路地に辿り着くも、疲れて倒れるかノッポ男に攫われるかして消え、後にはレインコートだけが残される。そこでカメラが引いていく……前作キッド編のラストのように。わお。綺麗に繫がりますね。

DLCが出た場合、既に27000字もあるこの記事がどうなっちゃうのか見ものです。

さいごに

長文もいいところです。ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。これからも適宜更新する予定です。

『LITTLE NIGHTMARES』『VERY LITTLE NIGHTMARES』の考察はこちら!↓

tenshi-shitsuzi.hatenablog.com

リトルナイトメアのMAD作ったんで見てやってください。↓

youtu.be